トップ
事務所案内
お問合せ
労務コンテンツ一覧
サービス案内
人事労務ニュース
リーフレット
リンク先
IPO労務監査・改善
M&A労務監査
労働問題解決
就業規則作成・改定
給与監査顧問
給与計算代行
同一労働同一賃金対策
労務相談AI
お知らせ
作成日:2026/10/08
「106万円の壁」は10月1日になくなった 短時間労働者の社会保険加入における賃金要件(月額8.8万円)の撤廃で、加入者はほとんど変わらないのに会社が点検すべきこと(令和7年法律第74号・令和8年政令
法改正解説
「106万円の壁」は10月1日になくなった
短時間労働者の社会保険加入における賃金要件(月額8.8万円)の撤廃で、加入者はほとんど変わらないのに会社が点検すべきこと(令和7年法律第74号・令和8年政令第275号)
2026年10月8日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士)

おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。

2026年10月1日、短時間労働者(いわゆるパート・アルバイト)の社会保険、すなわち健康保険と厚生年金保険の加入要件のうち、所定内賃金が月額8.8万円以上であることという賃金要件が撤廃されました。年収に直すと約106万円に当たるため「106万円の壁」と呼ばれてきた基準が、制度上なくなったことになります。

ただし、「壁がなくなったから加入者が増える」と読むのは正確ではありません。撤廃の理由そのものが、最低賃金の水準からみて週20時間以上働く人はすでにほぼ全員が月8.8万円を超えている、という点にあるからです。多くの会社では、加入者の範囲は10月1日の前後で変わりません。それでも、会社が従業員に説明すべき「壁」の中身は確実に変わりました。本記事では、改正の根拠を政令と施行通知までさかのぼって確認し、会社が点検すべき事項を整理します。

📌 この記事でわかること

✓ 2026年10月1日、厚生年金保険法12条5号ロと健康保険法3条1項9号ロに定められていた賃金要件(所定内賃金月額8.8万円以上)が削除され、短時間労働者の加入要件は、週の所定労働時間20時間以上、2か月を超える雇用の見込み、学生でないこと、特定適用事業所(厚生年金保険の被保険者数51人以上)に使用されていることの4つになったこと。根拠は令和7年法律第74号で、施行期日は令和8年政令第275号で定められたこと

✓ 撤廃の理由は、2026年4月1日以降は全都道府県の地域別最低賃金が時給1,016円以上となり、週20時間以上働けば所定内賃金が月額8.8万円以上になる計算のため。したがって、ほとんどの会社で加入者の範囲は変わらないこと

✓ 例外は、最低賃金法7条の減額特例の対象で報酬が月額8.8万円未満の人(特定減額特例対象者)。当分の間は被保険者とならず、本人の申出により加入できる仕組みが設けられたこと

✓ 企業規模要件(被保険者数51人以上)は今回変わらないこと。2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上へ引き下げられ、2035年10月に撤廃される予定であること

✓ 「106万円」を基準にした就業調整の根拠はなくなり、残る線は「週20時間」と、被扶養者認定の「年収130万円」であること。従業員への説明と、雇用契約書の所定労働時間の記載を点検する時期であること

加入者の範囲はほとんど変わりません。変わるのは、会社が従業員に説明すべき「壁」の中身と、2027年10月に向けた準備の時間割です。

1 改正の全体像――何が変わり、何が変わらないか

今回の改正の根拠は、2025年(令和7年)6月に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(令和7年法律第74号)です。同法は、短時間労働者の賃金要件を、公布から3年以内の政令で定める日に撤廃すると定めていました。その施行期日を2026年(令和8年)10月1日と定めたのが令和8年政令第275号で、関係政令の整備が令和8年政令第276号、関係省令の整備が令和8年厚生労働省令第138号です。これらは厚生労働省保険局長・年金局長の通知(令和8年9月11日付け保発0911第6号・年発0911第2号)で日本年金機構等に周知されています。

改正前と改正後の加入要件を並べると、次のとおりです。短時間労働者とは、1週間の所定労働時間又は1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3未満である人を指します。週の所定労働時間と月の所定労働日数の双方が4分の3以上の人は、以下の要件にかかわらず従来どおり加入対象です。

加入要件 改正前(2026年9月30日まで) 改正後(2026年10月1日から) 施行日・根拠
週の所定労働時間 20時間以上 20時間以上(変更なし) ―
賃金 所定内賃金が月額8.8万円以上(厚生年金保険法12条5号ロ、健康保険法3条1項9号ロ) 要件を撤廃。ただし最低賃金法7条の減額特例の対象で報酬が月額8.8万円未満の人(特定減額特例対象者)は当分の間、被保険者とならない(申出により加入可) 2026年10月1日。令和7年法律第74号、令和8年政令第275号・第276号
雇用期間 2か月を超えて雇用される見込みがあること(厚生年金保険法12条1号ロ) 同左(変更なし) ―
学生 学生でないこと(夜間・通信・定時制等を除く) 同左(変更なし) ―
企業規模 厚生年金保険の被保険者数が51人以上の事業所(特定適用事業所)、又は労使合意により任意に適用を受ける事業所 同左(今回は変更なし) 2027年10月から段階的に引下げ(第4章の表を参照)

表のとおり、変わったのは賃金の行だけです。週20時間、2か月超、非学生、企業規模の4要件は10月1日をまたいでも同じです。なお、健康保険法にも厚生年金保険法と同じ要件が置かれており、同日に同じ改正がされています。

2 なぜ賃金要件を撤廃できたのか――最低賃金1,016円と週20時間の計算

厚生労働省年金局が公表した政令案の概要は、撤廃の理由を次のように説明しています。2026年(令和8年)4月1日以降は全都道府県で最低賃金が時給1,016円以上となり、労働時間要件に該当しなければ自動的に賃金要件にも該当しなくなったこと等を踏まえ、2026年10月1日を施行日とした、というものです。言い換えれば、週20時間以上という時間要件を満たす人は、最低賃金で働いていても賃金要件を満たすことになった、ということです。

計算を確かめておきます。時給1,016円で週20時間働き、1年を52週として月額に換算すると、1,016円×20時間×52週÷12か月で約8万8,053円となり、8.8万円をわずかに上回ります。8.8万円を週20時間の月額換算(約86.67時間)で割り戻すと時給約1,015.4円ですから、1,016円という水準がちょうど境目です。最低賃金がこの水準を全都道府県で超えたことで、賃金要件は時間要件に吸収された、と理解できます。

ここから導かれる実務上の結論は明快です。これまで適法に賃金を支払い、かつ週20時間以上の所定労働時間で働いていた人は、改正前からすでに加入対象だったはずです。10月1日の撤廃によって新たに加入対象となる人が多数出てくるわけではありません。逆にいえば、週20時間以上で賃金要件を理由に未加入としていた人が社内にいるとすれば、最低賃金を下回っていたか、所定内賃金の計算や週の所定労働時間の判定に誤りがあった可能性を疑う必要があります。

3 例外――最低賃金の減額特例の対象者(特定減額特例対象者)

撤廃の前提は「最低賃金以上の時給で週20時間以上働けば8.8万円を超える」という計算です。この前提が成り立たない人がいます。最低賃金法7条の許可を受けて最低賃金額より低い賃金で働く人、すなわち減額特例の対象者です。同条は、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い人、試用期間中の人、基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受ける人、軽易な業務に従事する人、断続的労働に従事する人について、都道府県労働局長の許可を条件に最低賃金の減額を認めています。

政令案の概要によれば、適用事業所に使用される70歳未満の短時間労働者で、最低賃金法7条の減額特例の対象であり、報酬が月額8.8万円未満の人を「特定減額特例対象者」とし、当分の間、厚生年金保険の被保険者とならないこととされています。健康保険も同様です。一方で、本人の申出により被保険者となる仕組みが改正後の厚生年金保険法附則4条の6に置かれ、施行通知によれば、申出は必要な事項を記載した申出書を事業主を経由して日本年金機構(健康保険については日本年金機構又は健康保険組合)に提出して行い、申出を受けた事業主は厚生年金保険被保険者資格取得届・七十歳以上被用者該当届等を添えて提出することとされています。申出書の記載事項の細目は、日本年金機構の案内で確認してください。

対象となる人は限られますが、障害者雇用で減額特例の許可を受けている会社では、該当者の有無と本人の意向確認が必要です。本人が加入を希望するのに会社が手続を案内しなければ、本人の年金受給権と健康保険の給付に直接影響します。

4 企業規模要件は変わらない――2027年10月に向けた時間割

今回の改正で変わらなかったのが企業規模要件です。短時間労働者が加入対象となるのは、厚生年金保険の被保険者数(短時間労働者を除く)が51人以上の特定適用事業所に使用される場合に限られます。法人の場合、人数は同一の法人番号を持つ全事業所の合計で数えるとされています。51人未満の事業所でも、労使の合意により任意に適用を受けることができます(任意特定適用事業所)。該当の判定方法の細目は、日本年金機構の案内で確認してください。

令和7年法律第74号は、この企業規模要件を次の時間割で段階的に引き下げ、最終的に撤廃することを定めています。

時期 短時間労働者が加入対象となる事業所の規模(厚生年金保険の被保険者数)
現在(2026年10月時点) 51人以上
2027年(令和9年)10月から 36人以上
2029年(令和11年)10月から 21人以上
2032年(令和14年)10月から 11人以上
2035年(令和17年)10月から 企業規模要件を撤廃(10人以下の事業所も対象)

中小企業にとっての本番は、2026年10月ではなく2027年10月です。被保険者数が36人から50人の会社は、1年後に、週20時間以上で2か月を超えて働くパート・アルバイトを原則として全員、社会保険に加入させることになります。賃金要件はすでにありませんから、その時点で判定に使う線は週20時間だけです。

なお、厚生労働省の資料によれば、新たに加入対象となる短時間労働者の保険料負担を軽くするため、事業主が労使折半を超えて保険料を負担した場合に、その追加負担分を制度全体で支援する仕組み(保険料調整制度)が2026年10月から設けられています。対象は月収12.6万円以下の短時間労働者、期間は最大3年間で3年目は軽減割合が半減し、この支援を受けても将来の年金額は減らないとされています。同資料は、従業員50人以下の会社などを対象とし、利用にはまず会社からの申請が必要であること、労使合意に基づく任意適用の場合にも利用できるようにすることを記載しています。なお「保険料調整制度」という名称は厚生労働省のリーフレット(令和8年1月作成)の表現で、同省の説明資料では特例的・時限的な支援措置と呼ばれています。申請の手順と必要書類の細目は、日本年金機構の案内で確認してください。

5 実務への影響――4つの点検項目

改正の実像を踏まえると、会社が点検すべきことは次の4つに整理できます。いずれも、個別の事情を離れた一般的な整理です。

点検1 被保険者数51人以上の会社:週20時間以上で未加入の人がいないか、判定フローから賃金要件を外したか

10月1日以降、短時間労働者の加入判定に賃金の要素はありません。社内の判定フローや給与システムの設定に「月額8.8万円以上」の条件が残っていれば削除してください。そのうえで、賃金台帳と雇用契約書を突き合わせ、週の所定労働時間が20時間以上で、2か月を超える雇用の見込みがあり、学生でないのに未加入の人がいないかを確認します。第2章で述べたとおり、該当者がいるとすれば改正前から加入対象だった可能性が高く、10月1日からの資格取得として届け出れば足りるのか、それ以前にさかのぼるのかを、事実関係に基づいて判断する必要があります。さかのぼる場合は保険料の遡及負担が生じますから、該当者を見つけた段階で年金事務所への相談と、当法人のような専門家への確認をお勧めします。

点検2 従業員への説明:「106万円」ではなく「週20時間」と「130万円」で話す

扶養の範囲で働きたいという従業員からの相談に、「106万円を超えないように」と答える根拠はなくなりました。被保険者数51人以上の会社では、週の所定労働時間が20時間以上であれば、年収にかかわらず加入します。線は賃金ではなく時間です。一方、51人未満の会社で任意適用を受けていない場合は、週20時間以上でも短時間労働者としての加入はなく、配偶者等の健康保険の被扶養者でいられるかどうかは、従来どおり年収130万円未満等の被扶養者認定の基準で判断されます。この「130万円」は健康保険の被扶養者の認定基準であり、今回の改正の対象ではありません。税制上の配偶者控除等の基準はさらに別の制度です。従業員に説明する際は、自社の企業規模、週の所定労働時間、被扶養者認定の3つを分けて話す必要があります。

点検3 雇用契約書・労働条件通知書の所定労働時間:週20時間の線を契約と実態の両方で確認する

加入判定は週の所定労働時間で行います。契約書に「週3日、1日6時間」と書けば週18時間で加入対象外、「週4日、1日5時間」なら週20時間で加入対象です。1日の時間と日数の組合せが線のどちら側にあるかを、契約書の記載で確認してください。あわせて、日本年金機構のQ&Aでは、契約上は20時間未満でも、実際の労働時間が連続する2か月において週20時間以上となり、引き続き同様の状態が続いている又は続くと見込まれる場合には、3か月目の初日に被保険者の資格を取得するとされています。シフトの実績が契約を上回り続けている人がいれば、契約内容を実態に合わせて改めるか、シフトを契約に戻すかを決める必要があります。契約書だけを見て「20時間未満だから対象外」と判断するのは危険です。

点検4 被保険者数50人以下の会社:2027年10月に向けて、今から試算を始める

被保険者数が36人から50人の会社は、2027年10月に短時間労働者の加入義務が生じます。週20時間以上で2か月を超えて働くパート・アルバイトの人数、その人たちの標準報酬月額に基づく会社負担の保険料(健康保険、厚生年金保険、介護保険、子ども・子育て拠出金)を試算し、1年後の人件費に織り込んでください。あわせて、被保険者数が今後51人以上になる見込みがないか、法人番号単位での人数の推移を確認します。本人の希望で早めに加入させたい場合は、任意特定適用事業所の仕組みと、任意適用の場合にも利用できるとされる保険料調整制度の申請手順を、日本年金機構に確認したうえで検討することになります。社会保険に加入できることは採用の場面で会社の条件の1つとして見られますから、加入は負担であると同時に採用力にもなり得ると当法人は考えます。

6 当法人の視点

「106万円の壁の撤廃」という見出しからは、会社の負担が増え、加入者が増える改正に見えます。政令と施行通知までたどると、実像は違います。今回の改正で加入者の範囲が変わる会社はほとんどなく、変わるのは「壁」の説明の仕方と、2027年10月に向けた準備の時間割です。

当法人の見解

当法人は、今回の改正が会社に求めているのは、就業調整をめぐる従業員との対話の基準を、年収から週の所定労働時間へ置き換えることだと考えます。「106万円」は年の終わりに帳尻を合わせる基準でしたが、「週20時間」は契約を結ぶ時点で決まる基準です。会社は、採用面接と契約更新の場面で、本人がどちら側で働きたいのかを確認し、契約書の所定労働時間にそれを反映させる必要があります。この対話を怠ると、本人は「扶養の範囲で働いているつもり」、会社は「契約上は20時間未満」、実態は「20時間超」という三者の食い違いが生じ、遡及加入と保険料の遡及負担という形で表面化します。

この見解には、根拠が十分でない前提が1つあります。第3章の特定減額特例対象者の申出手続と、第4章の保険料調整制度の申請手順は、政令案の概要と施行通知、厚生労働省のリーフレットと説明資料で確認した範囲にとどまり、日本年金機構の案内ページの本文を当法人は取得できていません。申出書の記載事項や申請の手順は、同機構の案内で確かめる必要があります。

最も強い反論は、労働者側の立場から考えられます。「週20時間」が唯一の線として強調されると、会社が加入を避けるためにパートのシフトを週20時間未満に抑える動きが広がり、短時間労働者の社会保障を広げるという改正の趣旨と逆の結果を招く、というものです。当法人はこの懸念に理由があると考えます。企業規模要件の段階的な撤廃は、まさにこの抜け道を狭める方向の改正であり、2035年10月には週20時間以上で働く人は原則として全員が加入する制度になります。シフトを抑えて加入を避ける運用は、人手不足のもとでは採用力を自ら削る選択でもあります。使用者側からは、保険料の折半負担が中小企業の経営を圧迫するという指摘があり、保険料調整制度は期限付きの支援にすぎないという点も事実です。当法人は、この負担を否定するのではなく、負担が生じる時期が法律で決まっている以上、1年前の今から人件費計画に織り込むことが、経営者にとって最も確実な対応だと考えます。

簡易な確かめ方を1つ挙げます。直近の賃金台帳から、週の所定労働時間が20時間以上なのに社会保険に加入していない人を抽出してください。被保険者数51人以上の会社で1人でも該当者がいれば、判定フローのどこかに誤りがあります。50人以下の会社であれば、その人数と標準報酬月額の見込みが、2027年10月以降の会社負担の試算の出発点になります。この作業は半日で終わります。

まとめ

2026年10月1日、短時間労働者の社会保険加入における賃金要件(所定内賃金月額8.8万円以上)が撤廃されました。根拠は令和7年法律第74号と令和8年政令第275号で、2026年4月1日以降は全都道府県の最低賃金が時給1,016円以上となり、週20時間以上働けば8.8万円を超える計算になったことが理由です。残る加入要件は、週の所定労働時間20時間以上、2か月を超える雇用の見込み、学生でないこと、被保険者数51人以上の事業所の4つで、企業規模要件は2027年10月から段階的に引き下げられます。最低賃金の減額特例の対象で報酬が8.8万円未満の人は、当分の間は被保険者とならず、申出により加入できます。

当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。「壁」の説明を年収から週20時間へ切り替えること、そして2027年10月に向けた人件費の試算を、経営者と一緒に進めてまいります。社会保険の加入判定と届出の点検については労務手続代行・監査、賃金台帳と加入状況の照合については給与監査顧問、継続的なご相談については高難度業務対応型顧問のページもご覧ください。

「週20時間」の線引きと、2027年10月への備えを今から整理しませんか

短時間労働者の加入判定の点検、雇用契約書の所定労働時間の見直し、2027年10月以降の会社負担の試算まで、
社会保険労務士法人T&M Nagoya がご相談をお受けします。

▶ 無料相談のお申し込みはこちら

【根拠法令】

厚生年金保険法9条、12条5号(令和7年法律第74号による改正後。改正前の同号ロが賃金要件)、27条、附則4条の6(特定減額特例対象者の申出による被保険者資格)/健康保険法3条1項9号(同改正後)、附則8条の3の2/社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律(令和7年法律第74号)/同法の一部の施行期日を定める政令(令和8年政令第275号)/同法の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令(令和8年政令第276号)/同法の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(令和8年厚生労働省令第138号)/最低賃金法4条、7条(最低賃金の減額の特例)/厚生労働省保険局長・年金局長通知「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令等の公布について」(令和8年9月11日付け保発0911第6号・年発0911第2号)

【参考判例】

本記事は法改正の解説であり、裁判例は扱っていません。

【出典・参考資料】

厚生労働省年金局年金課「厚生年金保険法施行令等の一部を改正する政令案について(概要)」(e-Govパブリック・コメント)https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000314745/厚生労働省「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律の一部の施行に伴う関係政令の整備に関する政令等の公布について」(令和8年9月11日)https://www.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T260915T0020.pdf/厚生労働省「短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入拡大のポイント」(令和8年1月作成)https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001633788.pdf/厚生労働省 年金制度改正法の説明資料(冒頭見出し「年金制度総論」。短時間労働者の保険料負担の支援措置の記載を参照)https://www.mhlw.go.jp/content/12500000/001653903.pdf/日本年金機構「令和8年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」(本文は当法人が取得できておらず、表題のみ確認)/日本年金機構「年金Q&A(短時間労働者)」(実際の労働時間が連続する2か月において週20時間以上となった場合の資格取得日。原文は当法人が直接取得できず、同Q&Aを引用する解説記事で文言を確認)

【免責事項】

本記事は2026年10月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。特定減額特例対象者の申出書の記載事項、保険料調整制度の申請手順、特定適用事業所の該当判定の細目、実際の労働時間に基づく資格取得の取扱いは、当法人が日本年金機構の案内ページの本文を直接取得できていないため、政令案の概要、施行通知、厚生労働省のリーフレットと説明資料、および同機構のQ&Aを引用する解説で確認できた範囲で記載しています。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、社会保険の加入判定と届出、雇用契約書の整備、保険料負担の試算、年金事務所への手続を担い、遡及加入をめぐって従業員との間に争いが生じた場面では、提携する弁護士と連携して対応いたします。

この記事を書いた人

三重 英則(HIDENORI MIE)

社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)

特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)

法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。