| 法改正 |
【2026年10月1日施行】カスタマーハラスメントQ&A全問解説 第1弾 厚生労働省「解釈事項」問1〜21・問27を1問ずつ読み解く |
| 2026年9月28日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士) |
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おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。
2026年10月1日、改正労働施策総合推進法の施行により、カスタマーハラスメント(以下「カスハラ」といいます)を防止するための雇用管理上の措置が、企業規模を問わず全ての事業主の義務になります。厚生労働省は、この施行に先立つ令和8年4月24日、「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」(全41問のQ&A)を公表しました。当法人は、公表直後に先行適用された8問(パワハラ・セクハラ関係)を解説する記事を掲載しましたが、カスハラ関係の21問と、カスハラ・パワハラ共通の問27については、主な論点を挙げるにとどめていました。
本稿はその続編であり、Q&Aの全問を分野ごとに解説する連載の第1弾です。今回はカスハラ関係の問1〜21と問27の合計22問(更問2問を含めると24問)を1問ずつ取り上げ、行政の回答の要旨と、それを自社の体制に落とし込むときの実務上の含意を整理します。第2弾では求職者等に対するセクシュアルハラスメント関係の問28〜37を、第3弾では同一労働同一賃金ガイドラインを取り上げる予定です。
なお、法改正と指針そのものの全体像は「2026年10月1日施行『カスタマーハラスメント対策の義務化』徹底解説」で扱っています。本稿は、指針を読んだうえで「では具体的にどこまでやればよいのか」と迷う場面に答えるQ&Aの読み解きに絞ります。
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| 📌 この記事でわかること |
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✓ 厚生労働省Q&A(令和8年4月24日公表)のうち、カスハラ関係の問1〜21と問27は、令和8年10月1日の措置義務化と同時に適用されること。本稿はその22問(更問を含めて24問)を全て解説すること
✓ 「顧客等」には契約前の潜在的な顧客、顧客になる見込みのない近隣住民、訪問先の取引先担当者や利用者とその家族まで含まれ、「職場」には取引先の事務所や利用者の自宅も含まれること(問1〜3)
✓ カスハラに当たるかどうかは「言動の内容」と「手段や態様」の両面から総合的に判断し、都道府県労働局は個別事案の該当性を判断しないため、事実確認と判断は事業主自身の責任であること(問4・6・27)
✓ 方針と対処内容の周知は顧客対応のない部署を含む全労働者が対象であり、録音・録画を事実確認に使うには個人情報保護法上の利用目的の特定と通知・公表が必要なこと(問9〜11)
✓ 出入り禁止などの対処は「必ず講じる」ものではなく、就業規則の改正も既存の懲戒規定で対応できれば必須ではないが、業界団体のマニュアルを配るだけでは義務を果たしたことにならないこと(問16・19・21)
Q&Aは新しい義務を加えるものではなく、「義務の中身をどこまで自社で決めておくべきか」を明らかにしたものです。
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出典について
本記事の各問の内容は、厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」(令和8年4月24日。問22〜26および問38〜40は同日から、その他は令和8年10月1日から適用)に基づいています。指針の項目番号(「指針4(1)ロ」など)は、同Q&Aが引用する「事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和8年厚生労働省告示第51号)の項目です。
各問の「行政の回答」は当法人が要旨を整理したものであり、原文の引用ではありません。「実務上の含意」は当法人の解説であり、行政の見解ではありません。原文は記事末尾に掲げるURLからご確認ください。
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| 1 Q&Aの全体像と、本稿で扱う22問の位置づけ |
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令和7年6月11日に公布された「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和7年法律第63号)により、労働施策総合推進法に33条が新設され、事業主は、職場において行われる顧客等の言動であって、その労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、労働者の就業環境が害されることのないよう、相談体制の整備、言動への対応の実効性を確保するための抑止措置その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととされました(同条1項)。あわせて、相談等を理由とする不利益取扱いの禁止(同条2項)、他の事業主から措置の実施に関する協力を求められた場合に応じる努力義務(同条3項)、厚生労働大臣による指針の策定(同条4項)が定められ、指針は令和8年2月26日に告示されています。
この改正は、事業主に対して、雇用管理上の措置を義務づけるものです。措置義務は労働施策総合推進法の他の措置義務と同じく、労働局による助言・指導・勧告の対象となります。改正前後の違いを整理すると、次のとおりです。
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| 項目 |
改正前(2026年9月30日まで) |
改正後 |
施行・適用日 |
| カスハラ防止の雇用管理上の措置 |
法律上の義務なし。パワハラ防止指針で「望ましい取組」として触れられ、厚生労働省の企業向けマニュアルによる任意の取組にとどまる |
事業主の義務(労働施策総合推進法33条1項)。企業規模を問わず対象 |
2026年10月1日 |
| 相談等を理由とする不利益取扱い |
カスハラに関する規定なし |
解雇その他不利益な取扱いの禁止(同条2項) |
2026年10月1日 |
| 他の事業主からの協力の求め |
規定なし |
応じるよう努める義務(同条3項) |
2026年10月1日 |
| 指針 |
なし |
カスタマーハラスメント防止指針(令和8年厚生労働省告示第51号、令和8年2月26日告示) |
2026年10月1日適用 |
| 解釈Q&A(全41問) |
問22〜26・問38〜40の8問は、既存のパワハラ・セクハラ防止指針の解釈として先行適用 |
残る33問(本稿の問1〜21・問27、問28〜37、問41)を適用 |
先行分:2026年4月24日 残る33問:2026年10月1日 |
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Q&Aは7つのカテゴリで構成されており、本稿で扱うのは「カスタマーハラスメント関係」(問1〜21)と「カスハラ・パワハラ関係」(問27)です。問27は、パワハラとカスハラに共通する「就業環境が害された」の判断基準を示すもので、問4と一体で読む必要があるため、本稿に含めました。以下では、22問を4つのまとまり、すなわち定義(問1〜6・27)、方針の明確化と周知(問7〜9・21)、相談体制と事実確認(問10〜14)、対処内容と関連する体制(問15〜20)に分けて解説します。
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| 2 「顧客等」「職場」「許容範囲」――カスハラの定義に関する7問(問1〜6・問27) |
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法律上のカスハラは、�@職場において行われる、�A顧客等の言動であって、その労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、�B労働者の就業環境が害される、という3つの要素を全て満たすものです。Q&Aの冒頭7問は、この3要素それぞれの外延を確認するものです。
問1 商品を購入していない者からの言動 まだ商品を購入しておらず契約関係のない者からの言動もカスハラに当たり得るか、という問いに対し、行政は、指針が「顧客等」の例として、今後商品の購入やサービスの利用等をする可能性がある潜在的な顧客を挙げていることを指摘し、3要素を全て満たせばカスハラに該当するとしています。契約関係の有無は要件ではありません。
問2 顧客になる見込みのない近隣住民からの言動 指針は「施設の近隣住民」を顧客等の例に挙げており、行政の回答は、今後顧客になることが想定されるか否かを問わず、3要素を満たせば該当するというものです。問1と併せて読むと、「顧客等」は取引の見込みで区切られる概念ではなく、事業に関係を有する者として労働者と接する立場にある者を広く含む概念だと分かります。
問3 訪問先で受ける取引先の労働者や利用者からの言動 自社の事業所ではなく訪問先で受けた言動については、労働者が通常就業している場所以外であっても業務を遂行する場所は「職場」に含まれることが確認されました。取引先の事務所や顧客等の自宅がその例です。また、指針は顧客等の例として取引先の担当者、施設やサービスの利用者とその家族を挙げており、訪問看護や訪問介護のように顧客等の自宅に訪問して行うサービスの利用者とその家族も明示されています。
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問1〜3の実務上の含意
「当社は一般消費者と接しない」「店舗を持たない」という理由で対象外と考えることはできません。BtoBの企業は取引先の担当者から、訪問系のサービス業は利用者とその家族から、製造業や物流業でも近隣住民から、それぞれカスハラを受け得るという前提で方針と対処内容を作る必要があります。とりわけ訪問先で1人で業務に当たる労働者は、その場に上司がいないため、後述する問15(1人で対応する場面)の対処例を訪問先にも当てはめて定めておくことが求められます。
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問4 「社会通念上許容される範囲を超えた言動」の判断 行政の回答は、言動の「内容」と「手段や態様」の両面に着目して総合的に判断するとし、いずれか一方のみが範囲を超える場合でも該当し得ると明言しています。要求の中身は正当でも、長時間の拘束や執拗な反復といった手段が行き過ぎればカスハラになり得るということです。判断に当たっての考慮要素として、言動の目的、言動を受けた労働者の問題行動の有無や内容・程度を含む経緯や状況、業種・業態、業務の内容・性質、言動の態様・頻度・継続性、労働者の属性や心身の状況、行為者との関係性などが挙げられています。そのうえで、事業主や労働者側の不適切な対応が言動の原因や背景となっている場合もあることに留意すべきだとされました。
この最後の一文は、実務上とても重要です。行政は、顧客の言動だけを切り取って評価するのではなく、自社側の商品や接客に問題がなかったかを含めて事実関係を見るよう求めています。「怒っている客は全てカスハラ」という運用は、この回答と両立しません。
問5 「無断での撮影」の扱い 指針が例示する「無断での撮影」について、行政は、これは「精神的な攻撃」に当たり得る例として示したものであり、労働者が撮影をやめるよう求めたにもかかわらず撮影を続けるといった場面を念頭に置いたものだと説明しています。したがって、顧客による店舗内での無断撮影の全てが直ちにカスハラになるわけではなく、3要素を満たすかどうかで判断することになります。実務では、撮影を制止する基準と、制止後も続く場合の対応手順をセットで決めておくことになります。
問27 「就業環境が害された」の判断 カスハラとパワハラに共通する論点として、就業環境が害されたかどうかは「平均的な労働者の感じ方」、すなわち同様の状況で当該言動を受けた場合に、社会一般の労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じるような言動かどうかを基準に判断するのが適当とされました。言動の頻度や継続性は考慮要素になりますが、強い身体的または精神的苦痛を与える態様の言動であれば、1回の言動でも就業環境を害する場合があり得ると明記されています。「1回だけだから該当しない」という整理は成り立ちません。
問6 該当するかどうかを労働局は判断してくれるのか 行政の回答は明確で、都道府県労働局は、具体的に発生した個々の顧客等の言動がカスハラに該当するか否かの判断は行いません。指針は事実関係を迅速かつ正確に確認することを事業主の義務としており、事業主は、指針の「2 職場におけるカスタマーハラスメントの内容」を踏まえ、顧客等の言動がカスハラに当たるかどうかを含めて事実関係を確認し、必要な措置を講じる必要があります。
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問4〜6・27の実務上の含意
問6により、「迷ったら労働局に聞く」という運用は成り立たないことがはっきりしました。自社で判断するためには、問4が示した「内容」と「手段や態様」の2つの軸と考慮要素を、自社の業種に即した判断基準として文章化しておく必要があります。判断基準がないまま現場に「毅然と対応せよ」と指示すると、担当者ごとに対応がばらつき、顧客からの反発と労働者からの不信の両方を招きます。判断基準は、対処内容(問15・18)を定める前提になるものです。
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| 3 方針の明確化と周知・啓発――誰に、何を、どう伝えるか(問7〜9・問21) |
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指針4(1)は、カスハラに毅然とした態度で対応し労働者を保護する旨の方針を明確化して周知・啓発すること(イ)と、カスハラへの対処内容を明確化して周知・啓発すること(ロ)を求めています。ここでは、その対象と方法に関する問いを取り上げます。
問7 原因や背景を解消するための取組 行政は、カスハラの発生には商品やサービス、接客等における問題や、顧客等とのコミュニケーション不足が含まれ得るとし、これらを幅広く解消する取組が防止の効果を高める上で重要だとしています。望ましい取組として、接客、商品やサービス、苦情への対応に関する研修や資料配布による労働者の対応力の向上、消費者の心理や障害特性等についての資料配布や研修が挙げられ、さらに必要に応じて、過度に顧客等を優先した対応をするような接客の慣行の見直し、職場環境の改善、組織風土の見直しにまで言及されています。
問8 方針を顧客等にも周知する必要があるか 顧客等への周知は義務ではありません。指針が求めているのは管理監督者を含む労働者への周知・啓発です。ただし、指針は方針を顧客等にも周知・啓発することが被害の防止に効果的と考えられる旨を記載しており、これを踏まえて事業主が適切に対応することが望ましいとされています。店頭やウェブサイトでの掲示は、義務ではないが有力な選択肢という位置づけです。
問9と更問 顧客対応のない部署や社外の人と接しない労働者への周知 指針2(3)が「労働者」を事業主が雇用する労働者の全てと定めていることを根拠に、行政は、所属部署や雇用形態を問わず全ての労働者に方針を周知・啓発する必要があるとしています。更問では、対処内容の周知についても同じ結論が示され、社外の人と接する機会があるか否かを問わず、全ての労働者への周知が必要です。「店舗スタッフだけ研修すれば足りる」という設計は、措置義務を満たしません。
問21と更問 業界で共同策定したマニュアルや業界団体のマニュアルの扱い 同じ業種の複数の事業主が一体となってマニュアルを策定し、各事業主が自らの労働者に周知した場合について、行政は、当該事業主が策定に参画し、自らの雇用する労働者に周知したのであれば、指針4(1)ロの措置を講じたことになるとしています。反対に、策定に関わっていない事業主が他の事業主の策定したマニュアルを周知しただけでは、措置義務を果たしたことになりません。指針4の措置は個々の事業主が講ずべきものだからです。更問では、業界団体が作成した業種別マニュアルを労働者に配布しただけでは義務を果たしたことにならないが、それを参考に自社の実情に応じた調整を行い、方針の明確化、対処内容の策定、周知を行えば足りるとされ、方針や対処内容を周知する際に業界団体のマニュアルの配布を併せて行うことは効果的だとされています。
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問7〜9・21の実務上の含意
周知の対象は全労働者であり、方法は「自社の方針として」定めたものでなければなりません。業界団体のマニュアルを印刷して配るだけの対応は、最も起こりやすい形式的な不履行です。マニュアルを使うなら、自社の商品、店舗の形態、人員体制に合わせて対処内容を書き換え、社名入りの方針文書として周知する必要があります。また問7は、労働者の対応力向上と自社の慣行の見直しを「望ましい取組」として挙げており、義務ではありませんが、問4の「自社側の対応が原因や背景となっている場合もある」という視点と対になるものです。
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| 4 相談体制と事実確認――録音・録画の個人情報保護法対応を含む(問10〜14) |
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指針4(2)は相談窓口の設置と適切な対応を、4(3)は事後の迅速かつ適切な対応(事実関係の確認、被害者への配慮、再発防止)を求めています。この5問は、そのうち実務で最も迷いやすい論点、すなわち記録の取扱い、窓口の設計、行為者と接触できない場合の事実確認を扱います。
問10 録音・録画したものをそのまま事実確認に使えるか 行政は、取得する情報が個人情報に該当する場合には個人情報保護法の規律がかかることを前提に、利用目的をできる限り特定し(同法17条)、本人に通知または公表する必要があり(同法21条)、特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱うことは原則としてできない(同法18条)としています。録音・録画したものをハラスメント事案の事実関係の確認に使うのであれば、そのような確認に使用する場合があることを利用目的としてできる限り特定し、通知または公表しなければなりません。公表の方法としては、プライバシーポリシー等に利用目的の記載を設け、自社ホームページのトップページから1回程度の操作で到達できる場所に掲載することが例示されています。
問11 その場で顧客等に伝えていなくても問題ないか 利用目的を通知または公表する義務は、録音・録画していることをその場で伝える義務まで含むものではないとされました。一方で、個人情報保護法は偽りその他不正の手段による取得を禁じており(同法20条1項)、少なくとも、カメラの設置状況等から自らの個人情報が取得されていることを本人が容易に認識できるとはいえない場合には、容易に認識できるようにするための措置を講じなければならないとされています。その場で同意を得たうえで録音・録画することも、個人情報保護法等を遵守した対応の例として示されました。
問12 カスハラの相談窓口は他のハラスメント窓口と同じでなければならないか パワハラやセクハラは他のハラスメントと複合的に生じることが想定されるため一体的な窓口が望ましいとされているのに対し、カスハラは事案が発生したその場ですぐに相談することや、現場の状況に通じた上司等に相談することが適切な場合もあるため、他のハラスメントの窓口と一体的なものとする必要はないとされました。指針4(2)に示されているとおり、労働者の上司に当たる管理監督者等を相談に対応する担当者と定めることも考えられます。もちろん、一体的に設置することも妨げられません。
問13 行為者が立ち去り連絡先も分からない場合の事実確認 指針は、事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例として、相談者から確認したうえで、必要かつ可能な場合には行為者からも事実関係を聴取することを挙げています。行政は、行為者に連絡を取ることが不可能な場合にまで行為者から確認する必要はないとし、周囲の労働者からの聴取や、録音・録画等の客観的な証拠の確認によって事実関係を確認することが考えられるとしています。
問14 行為者の勤務先に協力を求める必要があるか 行為者の勤務先を把握していても、その行為者が勤務先の業務とは関係のない私的な場面でカスハラを行った場合には、勤務先に協力を求める必要はありません。他方、行為者の勤務先が自社の取引先であり、その業務に関連してカスハラが行われた場合等には、必要に応じて協力を求めることが考えられるとされています。
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問10〜14の実務上の含意
録音・録画は、問13が示すとおり、行為者に接触できない場面での事実確認の要になります。しかし問10・11のとおり、レコーダーやカメラを置くだけでは足りません。プライバシーポリシーへの利用目的の記載とトップページからの導線、店頭や電話冒頭での告知表示まで整えて初めて、記録を安心して事実確認に使える状態になります。10月1日を過ぎてから着手する企業が多いと当法人は見ており、優先度の高い項目です。
相談窓口は、問12により、現場の上司を担当者とする設計が明示的に認められました。小規模な会社では現実的な選択肢です。ただし、上司自身の対応に問題があった事案では上司が窓口では機能しないため、本社や外部窓口への経路を併せて用意しておくことが望ましいと考えられます。
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| 5 対処内容と悪質な事案への対応、就業規則、他社との協力(問15〜20) |
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指針4(4)は、特に悪質なカスハラへの対処方針をあらかじめ定めて労働者に周知し、対処できる体制を整備することを求めています。相談窓口を置いて終わりではなく、現場がどこまでやってよいかを事前に決めておくことを求める点が、パワハラ対策との大きな違いです。この6問は、その「どこまで」に関する問いです。
問15 従業員が1名の店舗など、管理監督者が代わりに対応できない場合 対処内容は各事業主が労働者の実態に応じて定めるものとしたうえで、1名店舗での対処の例として、労働者が十分に説明した後も要求が繰り返される場合には一定時間の経過後に退店を求めるか電話を切ること、暴行、傷害、脅迫などの犯罪に該当し得る言動については警察に通報すること、現場での対応が困難な場合には本社等へ情報を共有して指示を仰ぐことが挙げられました。あわせて、1名店舗であってもカスハラの発生が確認された後の被害者への配慮措置は必要であり、対応担当者の変更、配置転換による被害者と行為者の引離し、管理監督者や産業保健スタッフによるメンタルヘルス相談への対応が例示されています。
問16 出入り禁止を方針に定めたら、必ず講じなければならないのか 指針4(4)は対処方針を定めて周知し、体制を整備することを求めるものであり、実際にカスハラが発生した場合に必ず出入り禁止の措置を講じなければならないわけではありません。整備した体制の下で、当該事案について出入り禁止を講じるか否かを判断する必要があるとされました。方針の策定と個別事案での発動は別の判断です。
問17 悪質な事案への対処方針は別文書にしなければならないのか 必ずしも別のものとして作成する必要はなく、指針4(1)ロの対処内容を明確化して周知・啓発する際に、併せて特に悪質なカスハラへの対処方針を定めて周知することも可能とされました。
問18 法改正によって行為者にどのような対応ができるようになるのか 行政の回答は、改正法は事業主に雇用管理上の措置を義務づけるものであって、事業主が行為者に対して有する法的な権利や権限を新たに設けるものではないというものです。対処内容は各事業主が定めるものとし、通常の対処の例として、可能な限り労働者を1人で対応させず必要に応じて管理監督者等が対応すること、十分な説明後も要求が繰り返される場合に一定時間の経過後に退店を求めるか電話を切ること、犯罪に該当し得る言動の警察への通報が、特に悪質な事案への対処の例として、警告文の発出と店舗や施設への出入り禁止が挙げられています。
問19 就業規則にカスハラの規定を新設する必要があるか 問われているのは、自社の労働者が取引先等に対してカスハラを行った場合の対応です。行政は、信用失墜行為や服務規律違反に対する懲戒規定など既存の規定に基づいて必要な措置を講じることが可能な場合には、必ずしも就業規則等を改正してカスハラに係る規定を新たに設ける必要はないとしています。
問20 他社が事実確認への協力に応じない場合 指針5は、他の事業主から事実関係の確認等の措置の実施に関し必要な協力を求められた事業主は、これに応ずるように努めなければならないとしています。協力を得られない場合、協力を求めた側は都道府県労働局に相談することができ、労働局は相談内容に応じて、協力を求められた事業主に対し協力の求めに応じるよう助言するなどの対応を行うとされました。
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問15〜20の実務上の含意
問18は、経営者が最も誤解しやすい点を正しています。改正法は、会社に出入り禁止や警告文を発出する新しい権限を与えたのではありません。これらの対処は、従来どおり施設管理権や契約上の権利、刑事法上の手続を根拠に行うものであり、警告文の発出、出入り禁止の通告、損害賠償の請求や仮処分の申立てといった法的な措置は、紛争性のある事案として弁護士に委任すべき領域です。社会保険労務士が支援できるのは、方針と対処内容の設計、周知と研修、相談記録の様式化、就業規則や規程への反映までです。
問19は、加害側としての自社労働者の懲戒についての回答であり、被害側の労働者を守るための方針や相談体制の文書化が不要だと言っているわけではありません。この点は次の「当法人の視点」で改めて取り上げます。
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| 6 22問の早見表と、施行後に確認すべき点 |
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ここまでの内容を、社内で共有しやすいように1つの表にまとめます。「結論」欄は行政の回答の要旨、「自社で決めておくこと」欄は当法人の整理です。
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| 問 |
論点 |
行政の回答の結論 |
自社で決めておくこと |
| 問1 |
契約前の者からの言動 |
潜在的な顧客も「顧客等」。3要素を満たせば該当 |
方針の「顧客等」の定義に契約前の者を含める |
| 問2 |
近隣住民からの言動 |
顧客になる見込みの有無を問わず該当し得る |
近隣対応の担当者と相談経路 |
| 問3 |
訪問先での言動 |
業務を遂行する場所は「職場」。取引先担当者、利用者と家族も顧客等 |
訪問先で1人のときの対処と連絡手段 |
| 問4 |
許容範囲を超えたかの判断 |
「内容」と「手段や態様」の両面から総合判断。一方のみでも該当し得る。自社側の対応が背景にある場合に留意 |
業種に即した判断基準の文章化 |
| 問5 |
無断での撮影 |
制止後も続ける行為などが精神的な攻撃の例。撮影の全てが該当するわけではない |
撮影の可否ルールと制止後の手順 |
| 問6 |
労働局は該当性を判断するか |
判断しない。事実確認と判断は事業主の義務 |
判断する責任者と判断の記録様式 |
| 問7 |
原因・背景の解消 |
接客・商品・苦情対応の研修、消費者心理や障害特性の理解、過度な顧客優先の慣行の見直しが望ましい |
研修計画と接客ルールの点検 |
| 問8 |
顧客等への方針の周知 |
義務ではないが、効果的であり適切な対応が望ましい |
店頭掲示・ウェブ掲載の要否 |
| 問9・更問 |
周知の対象労働者 |
顧客対応のない部署、社外と接しない労働者を含む全労働者 |
全社研修と周知記録 |
| 問10 |
録音・録画の事実確認への使用 |
利用目的の特定と通知・公表が必要。トップページから1回程度の操作で到達する場所への掲載を例示 |
プライバシーポリシーの改定と導線 |
| 問11 |
その場で伝えない録音・録画 |
その場で伝える義務まではないが、不正取得は禁止。容易に認識できない場合は認識可能とする措置が必要 |
掲示・電話冒頭の告知の方法 |
| 問12 |
相談窓口の設計 |
他のハラスメント窓口と一体でなくてもよい。上司を担当者とすることも可 |
統合型か現場型かの選択と周知 |
| 問13 |
行為者に連絡できない場合 |
行為者からの聴取は必要かつ可能な場合でよい。周囲の労働者の聴取や客観的証拠で確認 |
事実確認の手順書 |
| 問14 |
行為者の勤務先への協力要請 |
私的な場面の行為なら不要。取引先の業務に関連する場合は必要に応じて要請 |
取引先への協力要請の窓口と文面 |
| 問15 |
従業員1名の店舗 |
一定時間経過後の退店要請・電話切断、警察通報、本社への共有を例示。被害者配慮は必要 |
「十分な説明」「一定時間」の中身 |
| 問16 |
出入り禁止の発動 |
方針に定めても必ず講じる必要はなく、体制の下で要否を判断 |
発動を判断する責任者と基準 |
| 問17 |
悪質事案の方針の文書 |
別文書でなくてよい。対処内容と併せて定めて周知できる |
対処内容文書の章立て |
| 問18 |
改正法による行為者への対応 |
新たな権利・権限を設けるものではない。警告文、出入り禁止は対処の例 |
法的措置に進む場合の弁護士連携 |
| 問19 |
就業規則の改正 |
自社労働者が加害者の場合、既存の懲戒規定で対応可能なら新設は必須でない |
既存の服務規律・懲戒事由の読み込み確認 |
| 問20 |
他社が協力しない場合 |
労働局に相談でき、労働局が相手方に助言等を行う |
労働局への相談の記録 |
| 問21・更問 |
共同マニュアル・業界団体マニュアル |
策定に参画し周知すれば可。参画せず配布するだけでは不可。自社の実情に応じて調整すれば可 |
自社版への書き換え箇所 |
| 問27 |
就業環境が害されたかの判断 |
平均的な労働者の感じ方が基準。強い苦痛を与える態様なら1回でも該当し得る |
1回の言動でも相談を受け付ける運用 |
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施行後に確認すべき5点
第1に、方針と対処内容が自社の名前で文書化され、顧客対応のない部署を含む全労働者に周知した記録が残っているか(問9・21)。第2に、カスハラに当たるかどうかを判断する基準と責任者が決まっているか(問4・6)。第3に、録音・録画を行うなら、利用目的の公表と告知表示が整っているか(問10・11)。第4に、相談窓口の担当者が決まり、行為者に接触できない場合の事実確認手順があるか(問12・13)。第5に、悪質な事案に進む場合の判断者と、弁護士に委任する範囲が決まっているか(問16・18)。
施行日を過ぎても義務は続きます。10月1日に間に合わなかった企業は、この5点の順に整えることをお勧めします。
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| 7 当法人の視点 |
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22問を通して読むと、行政の回答は2つの方向を同時に向いていることが分かります。1つは、対象を広く取り、周知の対象を全労働者とし、1回の言動でも該当し得るとする方向、つまり労働者を守る範囲を広げる方向です。もう1つは、労働局は該当性を判断しない、法は新しい権限を与えない、出入り禁止は必ず講じるものではない、就業規則の改正は必須ではないとする方向、つまり判断と設計を事業主に委ねる方向です。この2つを合わせると、義務の中身は「自社で決めた基準と手順を、自社で運用し、自社で判断する」ことに帰着します。
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当法人の見解
当法人は、問19の「就業規則の改正は必須ではない」という回答を、「文書化しなくてよい」と読み替えるべきではないと考えます。問19が答えているのは、自社の労働者が取引先に対して加害者となった場合の懲戒の根拠についてだけです。被害を受ける労働者を守るための方針、対処内容、相談窓口、不利益取扱いの禁止は、指針4が求める措置そのものであり、就業規則本体に置くか、ハラスメント防止規程や対応マニュアルに置くかは別として、何らかの文書として存在し、周知されていなければ措置を講じたことになりません。加えて、自社労働者の加害行為についても、既存の服務規律に「取引先等に対する暴言、威圧的な言動、不当な要求」を読み込めるかどうかは規則の書き方次第であり、懲戒処分には就業規則上の根拠と周知が前提となる以上(フジ興産事件・最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日判決)、明示的に加えておく方が安全です。
この見解には、根拠が十分でない前提が1つあります。Q&Aと指針は行政の解釈であり、裁判所を拘束する規範ではありません。措置義務を形式的に満たしていても、個別の事案で労働者に対する安全配慮義務(労働契約法5条)の違反が認められる可能性は残り、逆に、措置義務の一部が未整備でも直ちに民事責任が生じるわけでもありません。本稿の整理は、行政の措置義務の履行という観点に限ったものです。
最も強い反論は、判断基準や手順を細かく決めるほど、現場は基準に当てはめることに気を取られ、顧客の正当な苦情まで「カスハラ」として処理してしまう、というものです。問4が自社側の対応に問題がある場合への留意を求め、問7が接客の慣行の見直しに言及しているのは、この危険を行政も意識しているからだと考えられます。判断基準には、「自社の対応に問題がなかったか」を先に確認する項目を必ず置くべきです。
重大な失敗要因は、業界団体のマニュアルや他社のひな形をそのまま配布して「対応済み」とすることです。問21の更問は、これを措置義務の不履行と明言しています。もう1つの失敗要因は、録音・録画を先に導入し、個人情報保護法の手当てを後回しにすることです。記録があっても利用目的の公表がなければ、事実確認に使う段階で問題が生じます。
簡易な点検方法として、当法人は次の問いを経営者にお勧めしています。現場の管理職3人に、「顧客が同じ要求を3回繰り返したら、何分後に、誰の判断で、電話を切ってよいか」と尋ねてみてください。答えがそろわなければ、問15と問18が求める「対処内容」は、まだ自社のものになっていません。方針の文書があるかどうかではなく、現場が同じ言葉で答えられるかどうかが、措置が講じられているかどうかの実質的な目安になります。
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| まとめ |
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2026年10月1日から、カスハラ防止のための雇用管理上の措置が全ての事業主の義務になります。厚生労働省のQ&Aのうちカスハラ関係の問1〜21と問27は、「顧客等」と「職場」を広く捉え、該当性の判断は「内容」と「手段や態様」の両面から行い、労働局はその判断を行わず、周知の対象は全労働者であり、録音・録画には個人情報保護法の手当てが必要で、出入り禁止などの対処は必ず講じるものではなく、就業規則の改正は既存の懲戒規定で対応できれば必須ではないが、業界団体のマニュアルを配るだけでは義務を果たしたことにならない、という22の答えを示しました。次回の第2弾では、求職者等に対するセクシュアルハラスメント関係の問28〜37を解説します。
当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。Q&Aが事業主に委ねた「自社の基準と手順」を、業種と現場の実情に合わせて言葉にし、現場の管理職が同じ答えを返せるところまで、経営者と一緒に整えてまいります。
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【根拠法令・指針】
労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)33条1項(顧客等の言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置義務)、同条2項(相談等を理由とする不利益取扱いの禁止)、同条3項(他の事業主からの協力の求めに応じる努力義務)、同条4項(指針の策定)。いずれも令和7年法律第63号(令和7年6月11日公布)による新設で、2026年10月1日施行/事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年2月26日厚生労働省告示第51号。カスタマーハラスメント防止指針)2、4(1)イ・ロ、4(2)、4(3)、4(4)、5/個人情報の保護に関する法律17条(利用目的の特定)、18条(利用目的による制限)、20条1項(適正な取得)、21条(取得に際しての利用目的の通知等)/労働契約法5条(労働者の安全への配慮)
【参考判例】
フジ興産事件・最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日判決(懲戒処分には就業規則への種別・事由の定めと周知が必要)
【出典・参考資料】
厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課「ハラスメント防止措置義務規定等における解釈事項について」(令和8年4月24日。問22〜26および問38〜40は同日から、その他は令和8年10月1日から適用)https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001695619.pdf/厚生労働省「職場におけるハラスメントの防止のために」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/seisaku06/index.html/当法人記事「【重要】厚生労働省・ハラスメント防止指針の解釈Q&A41問を公表 ― 先行適用された8問から確認する実務対応のポイント」https://www.mh5.jp/announce_95525.html/当法人記事「2026年10月1日施行『カスタマーハラスメント対策の義務化』徹底解説」https://www.mh5.jp/announce_96406.html
【免責事項】
本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。各問の「行政の回答」は厚生労働省のQ&Aの要旨を当法人が整理したものであり、原文の引用ではありません。「実務上の含意」および「当法人の視点」は当法人の見解であり、行政の見解ではありません。Q&Aおよび指針は行政の解釈であって裁判所を拘束するものではなく、個別の事案における民事上の責任の有無は、事実関係に即して別途判断されます。法令・指針・Q&Aは今後改正や追加が行われる可能性があります。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、カスハラ対応の方針・対処内容・判断基準の文書化、相談窓口の設計、就業規則やハラスメント防止規程への反映、研修の企画を担い、顧客等に対する警告文の発出、出入り禁止の通告、損害賠償請求や仮処分の申立てなど法的措置が必要な局面では、提携する弁護士と連携して対応いたします。
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| この記事を書いた人 |
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三重 英則(HIDENORI MIE)
社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)
特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)
法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。
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