厚生労働省は、同一労働同一賃金の実現に向けて、令和5年4〜11月に実施したパートタイム・有期雇用労働法への対応状況に関する実態調査(報告徴収)の結果をまとめた。報告徴収を行った7983社のうち、不合理な待遇差の禁止を定めた同法第8条に抵触しているとして、1702社(調査企業の21.3%)を是正指導している。令和4年度1年間で是正指導した144社(同4.1%)を大幅に上回った。 厚労省では昨年3月から、都道府県労働局による報告徴収の実施前に、労働基準監督署が非正規労働者の処遇について事実確認する仕組みを導入している。厚労省雇用環境・均等局では「労基署が事前に確認したことで、効率的な指導につながった」とみている。 報告徴収においては、手当・福利厚生の性質や支給・付与目的を確認し、事案ごとに不合理な待遇差かどうかを判断した。不合理と認めたケースについては是正指導を行っている。 たとえば、正社員には通勤手当として実費を支給する一方、有期雇用労働者には1日当たり定額を支給していた企業に対し、正社員と同一基準で支給するよう指導した。正社員と職務内容が異なることを理由に、慶弔休暇を有期雇用労働者に与えていなかった企業に対しても、是正を指導している。(2024.01.19 【労働新聞 ニュース】より) |