| 裁判例解説 |
7割近くが同意しても、同意しない社員の賃金は下げられなかった 客室乗務員の新賃金体系を無効とした東京地裁令和7年9月11日判決(ジェットスター・ジャパン(賃金減額)事件・控訴中)と、賃金制度を作り直す前の4つの点検 |
| 2026年10月29日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士) |
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おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。
時給制を月給制に改める、歩合給を廃止して基本給に組み込む、職位ごとの手当を整理する。賃金制度の見直しは、どの会社でも避けて通れない経営課題です。そして多くの会社は、社員に説明会を開き、同意書を集めて新制度に移ります。では、同意しなかった社員にも、新しい制度を適用できるのでしょうか。
東京地裁は2025年9月11日、格安航空会社が客室乗務員の賃金を時給制から月給制に改めた新賃金体系について、同意しなかった客室乗務員15人との関係で無効と判断しました。会社は約67%の客室乗務員から同意を得ていましたが、裁判所は、新体系による賃金の減額率が平均約6.1%に上るのに、減額を正当化する高度の必要性も、減額の基準の説明もなかったとしました。新体系に移る前に会社が行った手当の減額や「時限的な減給」も、根拠がないとされています。本記事では、判決文に基づいて、段階ごとに何が否定されたのかを整理し、賃金制度を作り直す前の点検項目を考えます。
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| 📌 この記事でわかること |
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✓ 東京地裁は2025年9月11日、客室乗務員の賃金を時給制から月給制に改め、歩合給(コミッション)と管理職手当を廃止した新賃金体系を、同意しなかった客室乗務員との関係で無効とし、従来の賃金体系との差額などの支払を命じたこと。判決は控訴されており確定していないこと
✓ 会社は新規程の「新設」だと主張したが、裁判所は実態は就業規則への規定の追加で、労働契約法10条の「就業規則の変更」に当たるとし、減額率が平均約6.1%(最大約10.83%)に上るのに、高度の必要性も内容の相当性もなく、労働組合への説明も不十分だったとして合理性を否定したこと
✓ 新体系に移る前に行った、月額7万5,000円の職位手当の日割りによる減額と、同意しない社員への「時限的な減給」(3%・5%)は、いずれも契約上の根拠がなく無効とされたこと
✓ 従来の契約で「時給2,800円のうち560円を割増賃金とする」としていた定めは、全労働時間に同じ時給を払っていた以上、時間外労働の対価とはいえず、割増賃金の支払として無効とされたこと
✓ 不利益の程度を比べる際、年次有給休暇や傷病休暇を取った日の賃金も含めて比べるのが原則で、「ノーワーク・ノーペイの原則」は実際に働いた日だけで比べる根拠にならないとされたこと
同意を集めることは、同意しない社員を新制度に従わせる根拠にはなりません。根拠になるのは、減額の必要性とその説明です。
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| 1 本記事の情報源と事案の概要 |
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本記事は、労働判例1350号(2026年6月1日号)5頁に掲載された東京地裁令和7年9月11日判決(令和4年(ワ)第251号、民事第36部、中野哲美裁判長)の全文に基づいています。掲載誌には、判決が控訴されたことが示されています。控訴審の結果は、本記事の執筆時点で確認できていません。原告の客室乗務員は判決文でも記号で表示されており、本記事でも個人を特定する記載はしません。
会社の客室乗務員は、乗務と地上業務ごとに定められた時間給で働き、機内販売の売上に応じたコミッション(歩合給)を受け取り、客室の責任者の職位にある者には職位手当が支払われていました。会社は、この賃金体系を段階的に変えていきました。
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| 時期 |
会社が行ったこと |
裁判所の判断 |
| 2020年5月支払分から |
客室の責任者の職位手当(月額7万5,000円)を、勤務実績に応じて日割りで減額し始めた |
契約上、職位にある限り月額定額で支払う合意があり、減額は根拠がなく無効 |
| 2020年8月〜2021年3月 |
全客室乗務員向けの説明会で新賃金体系の導入を発表。移行時期を2回延期し、2021年1月に新しい契約書・就業規則・賃金規程を示して同意を求めた。労働組合は固定給の引上げなどの代案を示して反対した |
賃金減額の根拠を具体的に示さず、実質的な交渉をしていないと評価 |
| 2021年4月1日 |
約67%の同意を得たとして新就業規則・新賃金規程を施行。同意者には、新旧の差額の50%を補う激変緩和措置。同意しない者には従来の体系を適用しつつ「時限的な減給」(一般の客室乗務員3%、責任者5%)を実施 |
時限的な減給は、新体系の導入が無効である以上、根拠がなく無効 |
| 2021年6月支払分から |
機内販売のコミッションの支払を停止(機内販売は職務の一つで基本給等に含まれるとの説明) |
コミッションは労働契約の内容になっていた |
| 2022年8月支払分から |
同意しない客室乗務員にも新賃金体系を適用(月額基本給と乗務手当) |
労働契約法10条の合理性がなく無効 |
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| 2 新体系に移る前の手当の減額と「時限的な減給」は、なぜ無効か |
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最初に否定されたのは、新体系に移る前の措置です。客室乗務員の契約書には、職位手当について「時間単位で算出する賃金に加え、(職位)としての発令日より、月当たり7万5000円の手当が支給される。この手当については、月額手当のため、月の途中で発令の場合は、その月については日割りにて支給する」と書かれていました。会社は、以前から勤務実態に応じた額を払っていたと主張しましたが、裁判所は、会社自身が2020年4月に従業員向けに作成した書面に、手当が日割りになったことへの質問が載っていたことなどから、この主張を退けました。月の途中の発令時だけ日割りと明記した契約書の文言からすれば、職位にある限り定額を払う合意だったというのが裁判所の判断です。
同意しない社員への「時限的な減給」について、会社は、本来は新賃金規程による賃金を払うべきところ、一種の優遇措置として3%・5%の減額にとどめたと主張しました。しかし裁判所は、新体系の導入そのものが無効である以上、この減額も法的根拠を欠くとしました。新制度を前提にした「軽めの減額」は、新制度が倒れれば一緒に倒れます。
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| 3 「時給の一部を割増賃金とする」定めは、割増賃金の支払にならない |
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この事件では、従来の契約の割増賃金の定めも否定されました。契約書は、乗務時間の時給2,800円について「このうち基本給を2240円とし、割増賃金を560円とする。賃金の割増率として全就業時間に対し0.25を適用する」と定め、地上業務の時給2,000円についても、うち400円を割増賃金としていました。
裁判所は、割増賃金とされた部分が割増賃金の支払として有効であるためには、時間外労働等の対価としての性格がなければならないとしたうえで、会社は全労働時間について、560円又は400円を含む同じ時給を払っていたのだから、その時給は通常の労働時間の賃金であり、割増賃金とされる部分に時間外労働等の対価性は認められないと判断しました。その結果、時給の全額が割増賃金の計算の基礎となり、時間外手当と深夜手当の支払が命じられています。職位手当も、割増賃金の計算の基礎に含められました。
時間外労働をしてもしなくても同じ額が払われる部分は、名前を「割増賃金」としても、時間外労働の対価にはなりません。固定残業代の設計で最も基本的な誤りが、この定めに表れていました。会社は新体系の必要性として、時間外手当の定めにコンプライアンス上の疑義があったことも挙げましたが、裁判所は、無効な合意を労働者に不利な形で修正したにすぎず、賃金減額の必要性の根拠にはならないとしました。
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| 4 新賃金体系の導入はなぜ無効か――労働契約法10条の判断 |
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会社は、新しい就業規則と賃金規程を「新設」したのだと主張しました。しかし裁判所は、客室乗務員には従来の就業規則と賃金規程が適用されていたのであり、実態は就業規則に新たな規定を追加したものだから、労働契約法10条の「就業規則の変更」に当たることは明らかだとしました。同意しない社員に新しい労働条件を及ぼすには、変更が合理的でなければなりません。裁判所は、賃金のような重要な労働条件の不利益な変更には、それを労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容が必要であるという、みちのく銀行事件(最高裁第一小法廷平成12年9月7日判決)の考え方を示したうえで、次のように判断しました。
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| 考慮要素 |
会社の主張 |
裁判所の判断 |
| 不利益の程度 |
実際に勤務した日の賃金で比べるべきで、休暇を取るほど総支給額が増える仕組みは考慮すべきでない |
年休や傷病休暇を取った日の賃金も含めて比べるのが原則(集中的な取得分などは除く)。減額率は最大約10.83%、最小約2.98%、平均約6.10%で、相応の不利益がある。会社自身も導入前に減額を想定していた |
| 変更の必要性 |
�@職責に応じたメリハリある処遇、�Aキャリアパスと公平な評価制度、�Bワークライフバランスとコンプライアンス。人件費削減の目的はない |
賃金を一定程度保障する仕組みの必要性は否定できないが、どの程度の見直しが必要かの具体的な主張立証がない。責任者のほうが減額率が大きく、�@�Aとも整合しない。高度の必要性は認められない |
| 内容の相当性 |
公休日の増加(月8日から10日)や誕生日休暇の新設などの労働条件の改善、2022年3月までの新旧差額の50%補填などの激変緩和措置 |
どのような基準で減額率を設定したのか明確でなく、代償措置も十分とは認められない |
| 交渉の状況 |
繰り返し説明し、新旧比較も示した |
減額の程度や必要な経営状況の具体的説明がなく、労働組合の代案を検討せず実質的な交渉をしていない。訴訟前は減額を前提に説明し、訴訟では減額自体を否定するなど説明に一貫性がない |
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この判断で注目すべき点を2つ挙げます。
1つ目は、会社の説明の変遷そのものが、不利な事情として数えられたことです。会社は導入前、従業員向けの資料で、コロナ禍からの回復後には新体系の賃金が従来より8.75%や6.6%下がると示し、同意しない社員には「本来はもっと下がるところを優遇して3%・5%の減額にとどめる」と説明していました。ところが訴訟では、新体系の導入による賃金減額そのものを否定しました。裁判所は、会社が導入前に減額を明確に認識していたと認定し、説明の一貫性のなさを交渉の不十分さの事情に加えています。また、社員からの質問に対する会社の回答には、コロナ禍で固定費削減が必要だという趣旨の説明がある一方、労働組合への回答では、減額はコロナ禍による業績不振を理由としたものではなく制度設計に起因すると述べていました。制度を変える理由を、場面ごとに使い分けてはいけません。
2つ目は、比べ方です。会社は、休暇を取るほど総支給額が増える従来の仕組みは特異だとして、実際に勤務した場合の賃金で比べるべきだと主張しました。裁判所は、ノーワーク・ノーペイの原則は、労務の提供がなければ賃金請求権が生じないというにすぎず、合理性の判断で実際に勤務した日の賃金だけを比べる根拠にはならないとし、休暇の扱いも労働条件として賃金に影響する以上、考慮するのが当然だとしました。ただし、比較期間が1年5か月と短いことから、年休や傷病休暇を特定の期間に集中して取った分は除いて比べています。不利益の程度は、会社に都合のよい条件ではなく、社員が実際に受け取る賃金で測られるということです。
手当を廃止する代わりに別の手当を増やしても、それだけで代償措置として十分とされるわけではないことは、当法人ブログの国立精神・神経医療研究センター事件の解説記事でも取り上げました。本件でも、会社は休日の増加や期間を限った差額の補填を挙げましたが、裁判所は代償措置が十分とは認められないとしました。
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| 5 実務への示唆――賃金制度を作り直す前の4つの点検 |
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以下は、本件の事実関係を離れて、一般的な実務として整理したものです。
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点検1 新制度の前に、現行の契約書と規程で何が約束されているかを洗い出したか
職位手当、歩合給、休暇日の賃金の計算方法など、契約書や説明資料に書かれた内容は、会社が「慣行にすぎない」と考えていても労働契約の内容と認められることがあります。本件では、契約書の手当の文言、コミッションを積極的に奨励した社内資料、契約書の「歩合給の支給対象となる場合がある」との記載から、いずれも契約の内容と判断されました。変更の前に、何を変えるのかを契約書の文言の単位で特定してください。
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点検2 新旧の賃金を、社員ごとに実際の勤務と休暇を前提に試算したか
平均的なモデルだけでなく、職位や働き方の異なる社員ごとに、休暇の取得も含めた実際の勤務実績で新旧の賃金を比べてください。減額になる社員がいるなら、その幅と、なぜその幅になるのかの基準を説明できるようにしておく必要があります。本件では、責任者のほうが減額率が大きいことが、会社の掲げた「職責に応じた処遇」という目的と整合しないとされました。
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点検3 変更の理由と経営状況を、一貫した内容で具体的に示したか
賃金の減額を伴う変更では、なぜ減額が必要なのかを、数字を含めて説明する必要があります。「処遇の見直し」「公平な評価」といった目的を掲げても、減額の幅とのつながりを示せなければ、高度の必要性は認められにくいと考えられます。また、社員への説明、労働組合への回答、紛争になった後の主張で、理由が食い違わないよう、最初に理由を文書で固めてください。
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点検4 同意しない社員への扱いと経過措置を、制度として設計したか
同意を得られた社員には新制度を適用できますが、同意しない社員に新制度を及ぼせるかは、就業規則の変更の合理性で決まります。同意の有無で経過措置に差をつけたり、同意しない社員だけに別の減額をしたりすると、それ自体が根拠を欠く措置になり得ます。経過措置や調整給は全員に共通の制度として設計し、労働組合や従業員代表から出た代案には、採用しない理由を具体的に回答して記録してください。
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| 6 当法人の視点 |
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賃金制度の見直しの相談を受けたとき、当法人がまず確認するのは、「新制度で、誰の賃金が、いくら、なぜ変わるのかを1人ずつ説明できるか」という点です。制度の理念がどれほど優れていても、個々の社員にとっての結論は手取り額です。そこを説明できない制度は、同意を集めることはできても、同意しない社員には及ぼせません。
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当法人の見解
当法人は、本判決の実務上の意義を、賃金制度の変更の合否が、制度の理念ではなく、減額の幅と理由の説明の一貫性で決まることを示した点に見ています。会社が掲げた目的自体は、多くの会社が賃金制度改革で掲げるものです。しかし、目的と減額の配分が整合せず、減額の必要性を数字で示さず、説明が場面ごとに変わったことで、合理性は否定されました。加えて、新制度の前段階で行った手当の減額や「時限的な減給」までが根拠のない措置として倒れ、もともとの固定残業代の定めの不備も明らかになりました。制度変更は、現行制度の点検から始めなければならないことを示す事例と考えます。
反対の見方もあります。コロナ禍で運航便が大きく減り、時給制のままでは客室乗務員の収入が不安定になるなかで、月額の固定給を導入すること自体には労働者の利益にもなる面がありました。裁判所もその必要性は否定していません。多数の社員が同意している制度を、少数の不同意者のために維持できなくなれば、会社は2つの賃金体系を抱え続けることになる、という使用者側の懸念も理解できます。ただ、判決が否定したのは月給制への移行そのものではなく、回復後の賃金水準を下げることの必要性と配分の説明がなかったことです。固定給による保障と賃金水準の引下げを切り分け、後者について根拠を示していれば、評価は違った可能性があると考えられます。なお、本判決は控訴されており、控訴審で判断が変わる可能性もあります。
簡易な確かめ方を1つ挙げます。検討中の新賃金制度について、職位ごとに1人ずつ実在の社員を選び、過去1年の実際の勤務と休暇の記録で新旧の賃金を計算してください。減額になる社員について、その減額幅を「会社のどの必要性から、どの基準で決めたか」を1文で説明できるかを確かめます。説明できない場合は、制度を導入する前に設計か説明を見直す必要があると考えられます。
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| まとめ |
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東京地裁は2025年9月11日、客室乗務員の賃金を時給制から月給制に改めた新賃金体系を、同意しなかった15人との関係で無効としました。新規程の「新設」は労働契約法10条の「就業規則の変更」に当たるとされ、平均約6.1%の減額について高度の必要性も内容の相当性もなく、労働組合への説明も不十分で一貫性を欠くとして、合理性が否定されました。新体系の前に行われた職位手当の減額と「時限的な減給」も根拠がないとされ、時給の一部を割増賃金とする従来の定めも無効とされました。判決は控訴されており、確定していません。
当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。賃金制度の見直しは、新しい制度を作る前に、今の契約で何を約束しているかを確かめ、誰の賃金がなぜ変わるのかを説明できる形に整えることから始まります。現行の賃金規程と固定残業代の点検から、新制度の設計と移行の手順まで、一緒に考えてまいります。規程の整備については就業規則作成・改定支援、労働組合との交渉を含む紛争の予防と対応については労働紛争解決支援のページもご覧ください。
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【根拠法令】
労働契約法6条(労働契約の成立)、8条(労働契約の内容の変更)、9条・10条(就業規則による労働契約の内容の変更)/労働基準法37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
【参考判例】
本件:ジェットスター・ジャパン(賃金減額)事件・東京地方裁判所令和7年9月11日判決(令和4年(ワ)第251号、労働判例1350号5頁、控訴)。控訴審の結果は未確認です。/みちのく銀行事件・最高裁判所第一小法廷平成12年9月7日判決(民集54巻7号2075頁)
【出典・参考資料】
労働判例1350号(2026年6月1日号)5頁〜39頁
【免責事項】
本記事は2026年10月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。本件判決は判例誌に掲載された全文に基づいていますが、控訴されており確定していません。判決にない事実や当事者の心情を補ってはいません。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、賃金規程と固定残業代の点検、新賃金制度の設計と新旧比較の試算、説明資料と移行手順の作成の支援を担い、労働条件の変更の効力が争われる局面では提携する弁護士と連携して対応いたします。
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| この記事を書いた人 |
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三重 英則(HIDENORI MIE)
社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)
特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)
法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。
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