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令和8年4月改正労働安全衛生法・施行

「なんとなくの再雇用」が、
5年後、会社を揺るがす。

改正労働安全衛生法と、名古屋自動車学校事件・差戻控訴審判決(令和8年2月26日)。
高年齢者雇用は今、「制度設計の巧拙」が訴訟リスクと労災賠償を分けます。

名古屋・特定社労士+経営心理士が、
誠・Think more・伴走で、貴社の労務体制を再構築します。

▶ 初回労務診断(無料)のお申し込み

なぜ今、「高年齢者雇用対策」が経営の最重要テーマなのか

60歳以上の労働者は、雇用者全体の約18.7%(令和5年)。同時に、労働災害死傷者の約30%を60歳以上が占めます。転倒・腰痛といった「行動災害」が現場を直撃しています。

そして令和8年4月、改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号)が施行され、高年齢労働者への労災防止措置が全事業者の努力義務となりました。「努力義務」と聞いて安心するのは早計です。労災発生時の安全配慮義務違反の最重要証拠として、対策の有無が司法判断の俎上に載る時代に入ったのです。

さらに、定年後再雇用の賃金設計をめぐり、名古屋自動車学校事件・差戻控訴審判決(名古屋高判 令和8年2月26日)が出ました。定年時賃金の55%・57%を下回る部分は違法とされ、計約336万円の賠償が命じられました。注目すべきは、判決が「労使交渉での会社側の対応は誠実さを欠いた」と批判している点です。高年齢者雇用は、「制度を作って終わり」ではなく、「説明と納得のプロセス」までが法的義務となりつつあります。

7 TOPICS

経営者が直面する7つの高難度リスク

TOPIC

01

賃金設計の「項目別正当化」リスク

業務がほぼ変わらないのに、定年後再雇用で賃金を減額していませんか?「総額で何割減なら大丈夫」という発想は、もはや通用しません。賃金項目ごとに、減額の合理性を説明できる体制が求められます。

⚠ 法的リスク

名古屋自動車学校事件・差戻控訴審(名古屋高判R8.2.26)は、定年時賃金の55〜57%を下回る基本給は不合理と判断。長澤運輸事件最判(H30.6.1)も、賃金項目ごとの個別判断を要求しています。賃金総額での比較ではなく「項目別」の正当化が必須です。
根拠:パートタイム・有期雇用労働法8条

✓ T&M Nagoyaの解決策

基本給・賞与・役職手当・住宅手当を目的別に分解して再設計。「若手登用のための激変緩和措置」としての位置づけを文書化し、労使協議のプロセス記録(議事録・説明資料)を整備します。雇用契約書・就業規則・嘱託社員規程の3点セットで法的に固めます。

TOPIC

02

65歳以降「自動更新の罠」

65歳以降の継続雇用を「特に基準なく」「お願いベース」で更新していませんか?気づいたとき、出口は塞がれています。

⚠ 法的リスク

労働者に「70歳まで働ける」という合理的期待が生じた瞬間、雇止めは原則として認められなくなります。実態として「70歳定年」と裁判所に認定されるリスクすらあります。
根拠:労働契約法19条(雇止め法理)

✓ T&M Nagoyaの解決策

「会社が特に必要とする場合」のバスケット条項の適切な設計、部門長推薦・再雇用試験・健康基準等の客観的選定基準を就業規則に組込。更新の都度の面談記録で「合理的期待」の発生をコントロールします。

TOPIC

03

令和8年4月施行・改正安衛法対応の遅れ

高年齢労働者の身体機能低下を「個人の自己管理」で済ませていませんか?「努力義務」だから後回し──その判断が労災賠償に直結します。

⚠ 法的リスク

改正労働安全衛生法(令和7年法律第33号、2026年4月1日施行)により、全事業者に労災防止措置の努力義務。罰則がない=リスクがない、ではありません。労災発生時、対策の有無が安全配慮義務違反の決定的な判断材料となります。
根拠:改正労働安全衛生法、エイジフレンドリーガイドライン

✓ T&M Nagoyaの解決策

段差解消・照度確保・防滑床材等のハード面整備計画と、重筋作業見直し・休憩配分・配置転換等のソフト面運用設計を一括支援。60歳到達時の健康面談フローを標準化し、安全衛生管理規程に「エイジフレンドリー条項」を組み込みます。

TOPIC

04

労使交渉の「誠実性」リスク

再雇用条件を一方的に提示し、「嫌なら辞めてください」で済ませていませんか?プロセスの不備それ自体が、賠償命令の根拠になり始めています。

⚠ 法的リスク

名古屋自動車学校事件・差戻控訴審は、「労使交渉での会社側の対応は誠実さを欠き、具体的な協議を経ることができなかった」と明確に批判しました。実体的な賃金設計が同じでも、プロセスの良し悪しで結論が変わる時代です。
根拠:労働組合法7条、信義則(民法1条2項)

✓ T&M Nagoyaの解決策

複数回の個別面談記録(説明事項チェックリスト付き)、賃金設計の根拠資料(市場相場・財務状況・若手登用枠等)の提示、労働組合・過半数代表者との議事録整備。「説明と合意形成の可視化」で、プロセスの厚みを構築します。

TOPIC

05

創業支援等措置の「偽装請負」リスク

70歳まで雇用負担を抑えるため、安易に「業務委託契約」に切り替えていませんか?形式と実態のズレが、致命傷になります。

⚠ 法的リスク

高年齢者雇用安定法10条の2の創業支援等措置は、過半数労働組合等の同意が必須。さらに、形式は業務委託でも実態が労働者であれば偽装請負となり、職業安定法・労働者派遣法違反のリスクが発生します。
根拠:高年齢者雇用安定法10条の2、職業安定法、労働者派遣法

✓ T&M Nagoyaの解決策

過半数代表者との同意手続の適正実施、業務委託契約書の指揮命令遮断条項整備、安全確保措置の契約への明記、労災保険特別加入の検討支援まで一貫対応します。

TOPIC

06

健康配慮と退職勧奨の境界線

健康不安のある高年齢労働者に「もう難しいでしょう」と更新拒否していませんか?「就労継続も雇止めも」リスクが伴う最難関領域です。

⚠ 法的リスク

健康状態のみを理由とした更新拒否は、合理的な業務調整・配置転換を尽くさなかったとして雇止め無効のリスク。逆に、調整なく就労継続させて労災が発生すれば安全配慮義務違反で賠償責任。判断を誤れば、どちらに転んでも責任を問われます。
根拠:労契法19条、労契法5条、民法415条

✓ T&M Nagoyaの解決策

産業医意見聴取の書面化プロトコル整備、業務軽減・配置転換の選択肢提示記録、「就労継続」「契約変更」「合意退職」の3シナリオ準備。退職勧奨を行う際の適法性チェックリストまで完備します。

TOPIC

07

「世代間の軋轢」という見えない経営リスク

ベテランの経験を活かしたいが、若手が萎縮し、現場が機能不全になっていませんか?数字に出ない問題が、最終的に経営を蝕みます。

⚠ 経営リスク

法律上の問題はなくとも、生産性低下・若手離職・採用力低下という形で経営を蝕みます。これは「数字や法理に出ない問題」ですが、最終的な経営インパクトは数千万円単位になることも少なくありません。

✓ T&M Nagoyaの解決策

経営心理士の知見を融合し、ベテラン社員の役割再定義(メンター制度・技術伝承プロジェクト等)、世代別の期待役割マトリクス作成、若手・ベテラン双方への1on1運用設計まで支援。心理的安全性を担保した評価制度設計まで踏み込みます。

KEY PRECEDENTS

高年齢者雇用を左右する「3つの最重要判例」

CASE 01|リーディングケース

長澤運輸事件(最判 平成30年6月1日)

定年後再雇用の嘱託乗務員が、無期契約の正社員と同一業務でありながら賃金が約2割減額されたことを争った事案。労働契約法20条(現・パート有期法8条)について最高裁が初めて判断を示した記念碑的判決です。

▶ 判決の核心

@「定年後再雇用であることは、労契法20条の『その他の事情』として考慮される」
A「賃金項目ごとに個別に趣旨を検討し、不合理性を判断すべき」
B精勤手当の不支給は不合理(労契法20条違反)

実務インパクト:賃金総額で「20%減なら大丈夫」という発想は通用しません。個々の手当・賞与の支給目的に立ち返り、項目別に正当化できる設計が必須となりました。

CASE 02|「業務内容の変化」の重要性

日本ビューホテル事件(東京地判 平成30年11月21日)

役職定年・60歳定年を経て嘱託社員となった営業職社員が、賃金が約半額になったことを争った事案。賃金が半減しても「不合理ではない」と判断された貴重な使用者勝訴判決です。

▶ 判決の核心

@定年後も営業職だが、売上の評価方法・クレーム対応の責任・配転の有無等が異なっていた
A55歳の役職定年時に14%減額にとどまる「激変緩和措置」が講じられていた
B以上を総合考慮し、賃金が半額になっても不合理ではない

実務インパクト:大幅な賃金減額を行うには、「業務内容・責任の差」を客観的に立証できる体制と、役職定年からの段階的減額(激変緩和)が極めて重要であることを示しました。

CASE 03|最新・地元名古屋の判例

名古屋自動車学校事件
(最判 令和5年7月20日/差戻控訴審 名古屋高判 令和8年2月26日)

教習指導員の定年後嘱託職員が、基本給が定年時の約45%に減額されたことを争った事案。最高裁は基本給・賞与の性質と支給目的の検討が不十分として原審を破棄、差し戻された名古屋高裁が令和8年2月26日に新判決を出したばかりです。

▶ 判決の核心(最高裁+差戻控訴審)

@最高裁:基本給・賞与の性質や支給目的を踏まえた検討が必要
A最高裁:労使交渉の経緯の検討も不可欠
B差戻控訴審:基本給は定年時の55%・57%を下回る部分が違法とされ、計約336万円の賠償命令
C差戻控訴審:「労使交渉での会社側の対応は誠実さを欠き、具体的な協議を経ることができなかった」と批判

実務インパクト:定年後再雇用の賃金設計は、もはや「金額」だけでなく「プロセス」までが司法判断の対象です。誠実な労使協議の記録なくして、もはや安全な再雇用制度は構築できません。地元名古屋の事案として、当法人にとっても直接的な実務指針となっています。

CONSULTATION SCENARIOS

よくあるご相談シナリオと対応の方向性

※典型的なご相談例をもとに、対応の考え方をご紹介します

SCENARIO A|賃金設計

「定年後も部長職を継続するベテランの賃金、どう設計すべき?」

経営者のお悩み

「60歳定年後も部長職を継続させたい。ただ、再雇用なので役職手当を含めて一律3割減額しようと考えている。問題ないか?」

▶ 論点の整理

長澤運輸事件・名古屋自動車学校事件で示されたのは、賃金は項目ごとに支給目的に照らして判断されるということ。役職としての責任と権限を継続して担う以上、役職手当等の職務関連賃金項目は、基本的に定年前のものを維持するのが原則です。一律減額には不合理性のリスクが伴います。

▶ 対応の方向性

役職手当・職務関連手当については、責任と権限の継続度合いに応じて「実態を反映した水準で維持」する方向で設計。基本給・賞与については「若手登用のための激変緩和措置」として目的別に分解し、減額の根拠を文書化。労使協議のプロセスを議事録・説明資料として残し、項目ごとの正当化ロジックを整えます。

SCENARIO B|労働条件の提示

「業務変更を提示したら、本人が対案を出してきた。応じる義務はあるか?」

経営者のお悩み

「再雇用にあたり、これまでとは異なる業務内容と労働条件を提示した。本人が同意せず、独自の対案を出してきた。会社として応じる必要があるのか?拒否すれば違法になるのか?」

▶ 論点の整理

再雇用後の労働条件提示は使用者の合理的な裁量に委ねられており、定年前と異なる業務内容の提示自体は可能です。提示が「合理的な裁量の範囲」であれば、対案に応じる法的義務はありません。
ただし、社会通念に照らして「到底受け入れ難い全く別個の職種」を提示する場合は、実質的に継続雇用の機会を与えたとは認められず違法リスクがあります。また、名古屋自動車学校事件・差戻控訴審が「労使交渉の誠実性」を問うた点も看過できません。

▶ 対応の方向性

提示業務の合理性(職務関連性・能力適合性)を客観的に説明できる資料を準備。対案の中身を真摯に検討し、応じる/応じない双方の場合とも判断根拠を議事録化。複数回の協議の場を設け、「誠実な協議のプロセス」をエビデンスとして残す体制を整えます。

SCENARIO C|契約更新と健康問題

「リモートワーク中の高齢社員、労務提供が不十分。雇止めできるか?」

経営者のお悩み

「在宅勤務中の60代社員の労務提供が明らかに低下している。健康問題も疑われる。次回の契約更新時に雇止めしてもよいか?」

▶ 論点の整理

健康状態の不十分な確認や合理的な業務調整・配置転換を経ない雇止めは、無効と判断されるリスクが極めて高い領域です。一方で、調整なく就労継続させて労災が発生すれば安全配慮義務違反を問われます。「就労継続も雇止めも」リスクを伴うため、段階的な手順が不可欠です。

▶ 対応の方向性(4ステップ)

STEP 1:リモートワークを中止し出社を命じ、勤務状況を直接確認

STEP 2:主治医・産業医からの情報収集と意見聴取(書面化)

STEP 3:配置転換・業務軽減・休職等の代替策を検討・提示

STEP 4:それでも改善見込みなしの場合に、最終手段として雇止めを検討

代表自身が弁護士事務所で労働者代理人として労働事件に関わってきた経験から、相手方が後に争点とする可能性のあるポイントを先回りして手当することができます。

OUR STRENGTHS

T&M Nagoyaの3つの強み

01

双方視点の
特定社会保険労務士

代表が弁護士事務所で労働者代理人として労働事件に関わった経験を有します。だからこそ「相手がどこを突いてくるか」を踏まえたリスク予測と制度設計が可能です。

02

経営心理士による
組織アプローチ

法律論だけでは解決しない「世代間の軋轢」「モチベーション低下」「経営者の孤独」に、経営心理学の視点で伴走します。

03

「点」ではなく
「線」の伴走支援

「意見を伝えて終わり」のコンサルではなく、就業規則整備から運用、労使協議、紛争対応まで、提携弁護士とも連携して継続伴走します。

FLOW

伴走支援の4ステップ

STEP

01

初回労務診断(無料)

就業規則・嘱託社員規程・労働契約書の3点セットを点検。改正労働安全衛生法対応状況の確認も含めて、貴社のリスクを可視化します。

STEP

02

現状分析レポートの提出

リスクの優先順位付けと、対応コスト・期間の見積。経営者の判断材料として、選択肢を整理して提示します。

STEP

03

制度設計と書類整備

再雇用規程・選定基準・賃金設計・雇用管理計画の整備。労使協議プロセスの設計までを一括対応します。

STEP

04

運用フェーズの伴走

更新時面談・労使交渉・紛争対応まで継続伴走します。組合対応や訴訟リスクは提携弁護士と連携してフォローします。

SELF CHECK

貴社の高年齢者雇用、今すぐ点検

以下の項目に、いくつ「☐」が立ちますか?

☐ 再雇用時の賃金を減額しているが、賃金項目ごとの合理性(趣旨・目的)を文書化していない
☐ 65歳以降の継続雇用について、選定基準が就業規則にない
☐ 60歳以上の社員に対し、エイジフレンドリー対策を講じていない
☐ 再雇用条件について、労使協議の記録を残していない
☐ 70歳就業確保措置として、何も措置を講じていない
☐ 健康不安のある高年齢社員への産業医連携フローがない
☐ 業務委託契約に切り替えた高齢者がいるが、契約書を整備していない
☐ 再雇用後も役職を継続させているが、役職手当を一律に減額している

3つ以上当てはまる場合、
令和8年4月以降、深刻なリスクを抱える可能性があります。

FAQ

よくあるご質問

Q1. 改正労働安全衛生法は「努力義務」とのことですが、本当に対応が必要ですか?

A. 努力義務のため直接的な行政処分・罰則はないと考えられますが、労災が発生した際の民事損害賠償請求において、「国がガイドラインで求めていたのに対策していなかった」という事実は、安全配慮義務違反を認定する重要な判断材料となります。実質的な義務とお考えください。

Q2. 定年後再雇用の賃金は、定年時の何割まで下げてよいのですか?

A. 「総支給額の60%であれば適法」といった一律の基準はありません

過去の裁判例(名古屋自動車学校事件)において、名古屋地裁・名古屋高裁が「定年退職時の基本給の60%を下回る部分は不合理」とする基準を示したことがありました。しかし、最高裁判所(令和5年7月20日判決)は、この「60%基準」を採用しませんでした

最高裁が示した判断枠組みは、賃金総額(あるいは基本給の総額)の比較ではなく、基本給・賞与・各種手当といった「個別の賃金項目ごと」に、その性質や支給目的を検討するというものです。具体的には次の点が問われます。

・基本給の性質:年齢や勤続年数に応じた「年功的」なものか、職務内容や能力に応じた「職務給・職能給」的なものかによって、減額の合理性が変わります。

・各種手当の趣旨:役職手当(役職への対価)・精勤手当(皆勤の奨励)・住宅手当(生活費の補助)など、それぞれの趣旨に照らして、再雇用後の不支給・減額の合理性を個別に説明できる必要があります。

したがって、総支給額が定年前の60%であっても、項目別の合理性が説明できなければ違法と判断される可能性がありますし、逆に50%でも、業務内容の差や激変緩和措置・各項目の性質を踏まえた説明ができれば適法と判断されることもあります(日本ビューホテル事件等)。会社としては、「総額で何割だから大丈夫」と考えるのではなく、個々の賃金項目ごとに減額・不支給の合理的理由を整理し、労働者に説明できる体制を整えることが重要です。

Q3. 定年前と全く異なる業務内容を提示してもよいのですか?

A. 再雇用後の労働条件の提示は使用者の合理的な裁量に委ねられているため、定年前と異なる業務内容の提示は可能です。ただし、社会通念に照らして「到底受け入れ難い全く別個の職種」を提示する場合、実質的に継続雇用の機会を与えたとは認められず違法となるリスクがあります。職務関連性のある業務範囲内での提案を心がけるべきです。

Q4. 人事評価に応じて、再雇用条件に差を設けることはできますか?

A. 希望者全員を対象とする制度に加え、一定の人事評価を得ているなどの客観的かつ合理的な要件を満たした者のみを有利な労働条件で雇用する「コース制」を設けることは可能です。ただし、評価基準の客観性・合理性が問われますので、運用ルールの整備が前提となります。

Q5. 労働者が再雇用条件に同意せず、対案を提示してきた場合は?

A. 使用者が提示した労働条件が「合理的な裁量の範囲」のものであれば、労働者が同意せず再雇用契約が不成立となっても、高年齢者雇用安定法違反とはなりません。ただし、名古屋自動車学校事件・差戻控訴審が「労使交渉の誠実性」を問うた点を踏まえれば、事前に丁寧に協議を重ねる対応が望ましく、その記録を残すことが極めて重要です。

Q6. 再雇用後も役職を継続させる場合、役職手当はどう扱うべきですか?

A. 定年後も役職としての責任と権限を担って実働してもらう以上は、役職手当等の職務関連賃金項目は基本的に定年前のものをそのまま維持すべきです。一律減額すると、長澤運輸事件・名古屋自動車学校事件で示された「項目別判断」に照らして、不合理な相違と認定されるリスクがあります。専門業務についても同様で、業務内容が変わらないなら待遇維持が原則です。

Q7. 65歳までの再雇用社員を、経営悪化を理由に雇止めできますか?

A. 65歳以下の定年後再雇用者を雇止めする場合、解雇に相当する事由(整理解雇の4要素)が必要です。アルバイトなどの非正規労働者の削減を図らなかったり、希望退職募集における慎重な検討を欠いたりすると、人選の合理性等が否定され違法と判断されるリスクがあります。「契約期間満了」だけでは雇止めはできない、と認識すべきです。

Q8. 勤務態度不良の高年齢社員を雇止めできますか?

A. 勤務態度不良があっても直ちに雇止めすることはできず、時間をかけて指導・警告・懲戒等を行う必要があります。65歳まで雇用されるという労働者の合理的期待を上回るほどの勤務態度不良や協調性の欠如等が証明できなければ、雇止めは無効となる可能性が高いです。記録の蓄積と段階的対応が不可欠です。

Q9. リモートワークで労務提供が不十分な高年齢社員への対応は?

A. まずはリモートワークを中止して出社を命じ、主治医や産業医から情報を得て健康状態を確認すべきです。その上で配置転換や休職を検討し、それでも改善が見込めない場合に雇止めを検討することになります。健康問題を理由とする雇止めは、安全配慮義務とのバランスが極めて難しい領域です。

Q10. 契約更新時に、労働条件を不利益に変更できますか?

A. 契約更新時に労働条件を一方的に不利益に変更し、労働者が応じないことを理由に雇止め(変更解約告知)をするには、客観的合理的理由と社会通念上の相当性が厳格に求められます。これを有効とするには、給与変更等の社内ルールを具体化し、十分な説明と猶予を与えるなどの適正な手続を踏むことが必要です。安易な不利益変更はトラブルの温床です。

Q11. 助成金申請も依頼できますか?

A. 申し訳ございません。当法人では助成金申請業務は取り扱っておりません。労務管理体制の構築・運用・紛争対応に専念することで、本質的な経営支援を提供しています。

CLOSING MESSAGE

高年齢者雇用は、制度の不備が
数年後に巨額の賠償リスクとして現れます。

名古屋自動車学校事件・差戻控訴審判決が示したように、
「労使交渉の誠実性」というプロセスまでが司法判断の対象となる時代です。

令和8年4月施行の改正労働安全衛生法を前に、
今のうちに、特定社労士+経営心理士の二刀流の専門家と、
貴社の労務体制を点検しませんか?

誠 ・ Think more ・ 伴走

それが、社会保険労務士法人T&M Nagoyaの約束です。

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お電話:052-211-7430
受付時間 平日9:00〜18:00

※本ページの法的見解は一般論であり、個別事案については弁護士等の専門家へのご相談を推奨いたします。掲載判例の内容は、判決時点のものです。
※社会保険労務士法人T&M Nagoya|〒460-0002 名古屋市中区丸の内2-14-4 エグゼ丸の内206号|TEL:052-211-7430