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作成日:2026/10/12
ファミリーマートが髪色・服装の基準を広げた 会社は従業員の身だしなみをどこまで制限できるのか――裁判例と就業規則の見直しポイント
労務トピックス
ファミリーマートが髪色・服装の基準を広げた
会社は従業員の身だしなみをどこまで制限できるのか――裁判例と就業規則の見直しポイント
2026年10月12日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士)

おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。

株式会社ファミリーマートは2026年9月1日、全国約16,500店で、10年ぶりに刷新したTシャツタイプのユニフォームと、髪色や服装の選択肢を広げる新しい身だしなみ基準「ファミマコーデ」を導入しました。同じ日に、店舗に行かずに面接できる「録画面接」「WEB面接」も始めています。関西テレビが配信した記事では、労働社会学者の常見陽平教授(千葉商科大学)がこの取組を「アルバイト争奪戦」の中の施策として論じています。

報道の関心は「髪色が自由になった」という点に集まりがちですが、中小企業の経営者にとって本当に考えるべきなのは、自社の身だしなみ規定が、法的にどこまで通用するものなのかという点です。本記事では、ファミリーマートの公式発表で事実を確認したうえで、身だしなみ規制の限界を示した裁判例、就業規則を見直すときの手続、そして録画面接とカスタマーハラスメント対策の論点を、当法人の立場から整理します。

📌 この記事でわかること

✓ ファミリーマートは2026年9月1日から、Tシャツタイプのユニフォーム、髪色・服装の選択肢を広げる「ファミマコーデ」、録画面接・WEB面接を導入したこと。「ファミマコーデ」は「清潔感・衛生管理」「安全性」「良好な接客」を土台に置いた基準であり、無制限の自由化ではないこと

✓ 裁判例は、髪の色や容姿、服装の制限は企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲にとどまるべきだとしており、髪を黄色に染めたことを理由とする諭旨解雇を認めなかった例や、ひげを理由とする人事考課の減点を違法とした例があること

✓ 身だしなみ規定は、各項目の目的を「衛生」「安全」「接客」のどれに当たるかで説明できるかどうかが、有効性と懲戒の可否を分けること

✓ 基準を緩める変更でも、就業規則に定めている場合は意見聴取・届出・周知の手続が必要であり、現場の指導を新基準にそろえなければ紛争の火種が残ること

✓ 録画面接では質問内容と録画データの取扱いが、髪色の自由化では2026年10月1日施行のカスタマーハラスメント防止措置義務が、それぞれ実務上の論点になること

身だしなみ規定の見直しは「緩めるかどうか」ではなく、「残す規定の理由を説明できるか」の点検です。

出典について

本記事の出発点は、関西テレビが2026年9月に配信した記事「ファミマの『バイト改革』はなぜ今なのか 制服・髪色・録画面接の先にあるもの」(Yahoo!ニュース掲載。解説:千葉商科大学基盤教育機構 常見陽平教授)です。常見教授の見解は、同記事での発言として紹介します。

ファミリーマートの施策の内容は、同社のニュースリリース「業界の『あたりまえ』を脱ぎ捨てる。ファミリーマート45周年の挑戦は『いちばん働きたい』コンビニへ!」(2026年8月26日)で確認しました。報道記事と公式発表で表現が異なる箇所は、公式発表の表現を採用しています。出典の一覧は記事末尾に掲げます。

1 ファミリーマートが発表した3つの施策

ファミリーマートは、45周年の取組の1つとして「いちばん働きたい」コンビニを掲げ、2026年8月26日に次の施策を発表しました。リリースは背景として、小売・サービス業では人口減少にともなう労働力不足が課題となっていること、フリーランスやスキマバイトなどライフスタイルに合わせた働き方が台頭したことを挙げ、募集・採用・育成・定着を一体のものとして捉える考え方を示しています。

施策 公式発表の内容 開始日
ユニフォームの刷新 10年ぶりの刷新。ブルゾンタイプからTシャツタイプへ変更。綿100%の厚手で透けにくい生地に抗菌防臭加工。XSから11Lまで全14サイズ。ストアスタッフからの「より動きやすいものがよい」「カジュアルな着こなしができるものがよい」という要望を反映。全国約16,500店で導入 2026年9月1日
身だしなみ基準「ファミマコーデ」 「清潔感・衛生管理」「安全性」「良好な接客」を土台に、スタッフの自主性や個性を尊重する「マイスタイル」の考え方を取り入れた基準。衛生面・安全面を確保しながら、髪色や服装の選択肢を広げる 2026年9月1日
採用手続の見直し 求人サイト「ファミJOB」をリニューアルし、店舗に行かずに面接できる「録画面接」「WEB面接」を導入。このほか、加盟店向けに募集費用を可視化する分析ダッシュボードの提供も開始 2026年9月1日(ファミJOBの刷新と録画面接・WEB面接)

公式リリースには、髪色やネイル、アクセサリーについて何が許され何が許されないのかという具体的な線引きは掲載されていません。FASHIONSNAPの報道(2026年8月26日)によれば、髪色の自由化、長袖インナーやタートルネックなど着こなしの拡大のほか、信条や文化的背景、病気や体質などの事情を考慮した装いを認める内容とされています。

ここで押さえておくべきなのは、「ファミマコーデ」が身だしなみ基準の撤廃ではなく、衛生・安全・接客という目的を明示したうえで、その目的と関係の薄い制限を外したものだという点です。この構造は、後に見る裁判例の判断枠組みとそのまま重なります。

2 報道はどう伝えたか――肯定的な評価と、異なる受け止め

関西テレビの記事で常見教授は、この取組を服装や面接の自由化だけで捉えるべきではなく、コンビニで働く人の位置づけを問い直す施策だと評価しています。そのうえで、日本のコンビニの大半はフランチャイズ店でありアルバイトの確保が欠かせないこと、コンビニのアルバイトは以前から争奪戦であること、業務がある程度マニュアル化されているため質問を絞った録画面接が成り立つこと、セルフレジなどの操作に戸惑う利用者、とりわけ高齢者にとっては人によるサポートが重要になる場面があることを指摘しています。また、東京メトロが2025年5月に身だしなみルールを改正した例に触れ、利用者から好意的な反応があったと紹介しています。

東京メトロの改正は、同社の公式発表(2025年4月28日)で確認できます。2025年5月1日から、男女別の基準を撤廃し、髪の染色をより明るい色(JHCA色見本レベル11番以下)まで可能とし、装飾品や爪は業務に支障のない範囲で性別を問わず選択可能とし、暗色系のスニーカーの着用も認めました。目的は、社員が快適に働ける環境の整備と、一人ひとりの多様性の尊重とされています。

一方で、受け止めは一様ではありません。週刊女性PRIME(2026年8月28日)は、SNS上に「質を下げてまで店員を確保するのがおかしい」「見た目の自由を広げるなら衛生や接客については明確な基準を設けて欲しい」といった声があることを伝えています。後者の声は、実は法的な観点から見ても的を射ています。身だしなみの自由を広げるほど、残る基準の中身と理由を明確にする必要があるからです。

3 身だしなみの制限は、どこまで許されるのか

身だしなみに関する規律は、就業規則の服務規律として定めるのが一般的です。会社が業務の円滑な遂行のために従業員の服装や髪型に一定のルールを設けること自体は否定されていません。問題は、その限界です。髪の色や容姿、服装は、勤務時間外の私生活にも及ぶ個人の自由に関わる事柄であるため、裁判例は制限の範囲を絞り込む姿勢をとってきました。代表的な3件を示します。

事件・裁判所 事案 裁判所の判断
イースタン・エアポートモータース事件
東京地方裁判所
昭和55年12月15日判決
ハイヤー運転手が口ひげをたくわえたところ、会社が「乗務員勤務要領」の「ヒゲをそること」を根拠に下車勤務を命じた ハイヤー運転手には顧客に不快感を与える身だしなみが許されないという業務上の制約を認めつつ、規定の「ヒゲ」は第一義的には不快感を伴う「無精ひげ」や「異様、奇異なひげ」を指すと限定して解釈した(一部認容)
東谷山家事件
福岡地方裁判所小倉支部
平成9年12月25日決定(仮処分)
トラック運転手が髪を黄色に染めて勤務し、上司の指示に従わなかったことを理由に諭旨解雇された 髪の色・型、容姿、服装などの制限は、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまるべきであり、制限の必要性、合理性、手段方法としての相当性を欠かないよう特段の配慮が要請されるとした(一部認容)
大阪市交通局事件
大阪高等裁判所
令和元年9月6日判決
地下鉄の運転士が、ひげを剃るよう求める職務命令に従わず、人事考課で低い評価を受けた 身だしなみ基準の制定自体には一定の必要性と合理性があり違法ではないが、ひげに関する基準は職員の任意の協力を求めるものと解し、ひげを理由とする減点評価は裁量権の逸脱・濫用で違法とした(慰謝料1人当たり20万円)

3件に共通するのは、裁判所が身だしなみ規定そのものを無効としたのではなく、規定の射程を業務上の必要性がある範囲に絞り込んだという点です。規定があっても、それを根拠にした解雇、乗務外し、人事考課の減点が、目的に照らして行き過ぎていれば違法と判断されます。大阪市交通局事件では、第一審の大阪地方裁判所も人事考課を違法と判断しており、控訴審判決は大阪市が上告を断念したことにより確定したと、民主法律協会が報告しています。

この枠組みをコンビニのような食品を扱う小売業に当てはめると、爪の長さ、アクセサリー、髪をまとめることなどは異物混入の防止という衛生上の必要性と直接結びつきますが、髪の色そのものは衛生とは結びつきにくいと考えられます。髪色の制限を正当化できるとすれば「接客」の観点ですが、東京メトロやファミリーマートのような大規模な接客業が相次いで制限を外している以上、「顧客に不快感を与える」という理由づけは、以前より説得力を失いつつあると当法人は見ています。

なお、東谷山家事件は仮処分の決定であり、本案の判決ではありません。また3件とも下級審の判断であって、身だしなみ規制の限界について最高裁判所が一般的な基準を示した判決は見当たりません。個別の事案では、業種、職務内容、顧客層、規定の定め方によって結論が変わり得ます。

4 身だしなみ規定を見直すときに確認すべき4つの点

ファミリーマートの取組を受けて自社の基準を見直すかどうかは、各社の経営判断です。ただ、見直すにせよ維持するにせよ、次の4点は確認しておく必要があります。

点検1 各項目の目的を「衛生」「安全」「接客」で説明できるか

身だしなみ規定の1項目ずつについて、それが衛生、安全、接客のどの目的のためにあるのかを書き出してください。どれにも当てはまらず「昔からそう決まっている」としか説明できない項目は、裁判例の枠組みでいう必要性・合理性を欠くおそれがあります。説明できない項目を残しておくと、それを根拠にした指導や処分が争われたときに、規定全体の信頼性まで損なわれます。ファミリーマートが3つの土台を明示したのは、この意味で理にかなった設計だと考えられます。

点検2 違反への対応を、懲戒規定と段階的に結びつけているか

懲戒処分をするには、就業規則に懲戒の種別と事由を定め、それを労働者に周知しておく必要があります(労働基準法89条9号、フジ興産事件・最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日判決)。そのうえで、処分が行為の性質や態様に照らして重すぎれば、懲戒権の濫用として無効になります(労働契約法15条)。東谷山家事件が示すとおり、身だしなみ違反をいきなり解雇に結びつけることは、極めて危険です。口頭での指導、書面での注意、配置の検討、軽い懲戒という順序を踏み、その経過を記録しておくことが前提になります。

点検3 基準を緩める場合も、変更の手続を踏んでいるか

身だしなみ基準を就業規則に定めている場合、基準を緩める変更も就業規則の変更です。常時10人以上の労働者を使用する事業場では、過半数労働組合または過半数代表者の意見を聴き(労働基準法90条)、労働基準監督署に届け出て(同法89条)、労働者に周知する(同法106条)手続が必要です。緩和は労働者に有利な変更であるため、通常は労働契約法10条の合理性が問題になることはありません。

ただし、髪色を自由にする代わりに爪やアクセサリーの基準を厳しくするといった組合せの変更では、厳しくする部分は不利益変更になり得ます。また、規定を変えても現場の店長や上司が旧基準のまま指導を続ければ、同じ職場で基準が二重に運用されることになります。管理職への説明と、店舗や部署ごとの運用の統一を、規定の改定と同時に行う必要があります。

点検4 個別の事情に配慮する手続があるか

報道によれば、「ファミマコーデ」は信条や文化的背景、病気や体質などの事情を考慮した装いを認めるとされています。障害のある労働者については、事業主は過重な負担にならない範囲で障害の特性に配慮した必要な措置を講じる義務を負っており(障害者雇用促進法36条の3)、服装や装具の基準もその対象になり得ます。基準の例外を個別に認めるのであれば、誰に、どのように申し出て、誰が判断するのかという手続を規定しておくことが、恣意的な運用という批判を避けるうえで有効です。

5 録画面接とカスタマーハラスメント対策で確認すべきこと

ファミリーマートの施策には、身だしなみ以外にも中小企業が参考にできる論点が2つあります。

1つ目は、録画面接とWEB面接です。応募の負担を下げるという効果の一方で、録画面接では質問も回答も記録として残ります。本籍や出生地、家族の職業、宗教や支持政党など、本人の適性や能力と関係のない事項を質問すれば、その記録がそのまま残ることになります。求職者の個人情報は、業務の目的の達成に必要な範囲で収集し、その範囲で保管・使用しなければなりません(職業安定法5条の5)。録画データは個人情報そのものですから、利用目的を明らかにし(個人情報保護法21条)、安全に管理し(同法23条)、不採用者のデータをいつ削除するかを決めておく必要があります。逆に言えば、あらかじめ決めた質問だけを使う録画面接は、面接官ごとの不適切な質問を防ぐ仕組みとしても機能し得ると考えられます。

また、2026年10月1日からは、就職活動中の学生などの求職者に対するセクシュアルハラスメントを防止する措置も事業主の義務になります。WEB面接や面接前後の連絡も、採用の場面として対象に含まれると考えて準備しておくべきです。

2つ目は、カスタマーハラスメント対策です。同じく2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法により、職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者などの言動であって、業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより労働者の就業環境が害されることを防ぐため、事業主に雇用管理上の措置が義務づけられます(同法33条1項)。髪色の自由化に対して顧客が意見を述べること自体は、直ちにカスタマーハラスメントに当たるわけではありません。しかし、特定の従業員の髪色を執拗に非難したり、人格を否定する言葉を浴びせたりする言動は、許容される範囲を超えると判断される可能性があります。

会社が身だしなみの自由を認めた以上、その基準に従っている従業員を顧客からの行き過ぎた言動から守るのは会社の役割です。身だしなみ基準の改定と、カスタマーハラスメントへの対応方針の策定・周知は、一体のものとして進めることをお勧めします。

6 当法人の視点

ファミリーマートの施策は、人手不足への対応として報じられています。ただし、身だしなみ基準を緩めたことで応募者や定着率がどれだけ変わったのかは、現時点では公表されていません。「髪色を自由にすれば人が集まる」という因果関係は、まだ確認されていないという前提で読む必要があります。

また、業種によって事情は大きく異なります。医療や介護のように身体に直接触れる業務、機械や刃物を扱う業務、高額商品の販売や式典に関わる業務では、衛生、安全、接客のいずれの観点からも、コンビニより強い制限を説明できる場合があります。大企業の自由化をそのまま自社に当てはめる必要はありません。

当法人の見解

当法人は、今回の取組の本質は「自由化」ではなく「規定の目的の明示」にあると考えます。衛生、安全、接客という3つの土台を先に示し、それと関係の薄い制限を外す。この順序で基準を組み立てれば、残った基準は裁判所に対しても従業員に対しても理由を説明できるものになり、指導や懲戒の根拠としての強さはむしろ増します。規定を減らすことと、規定を弱くすることは同じではありません。

反対の見方もあります。基準を広げれば、「どこまでが許されるのか」を巡る現場での判断は増えます。明確な禁止事項の一覧があった時代より、店長や上司の判断の負担は重くなり、判断のばらつきがトラブルを生む可能性があります。この点を軽く見るべきではありません。

そこで当法人がお勧めする簡易な点検方法は、自社の身だしなみ規定の各項目に「衛生」「安全」「接客」「その他」のいずれかの札を付けてみることです。「その他」に分類された項目が、見直しの候補です。そして残す項目については、現場の管理職が同じ言葉で理由を説明できるかどうかを確かめてください。説明の言葉がそろわない規定は、紛争になったときにも会社を守ってくれないと考えられます。

まとめ

ファミリーマートは2026年9月1日から、Tシャツタイプのユニフォーム、髪色や服装の選択肢を広げる身だしなみ基準「ファミマコーデ」、録画面接・WEB面接を導入しました。「ファミマコーデ」は、清潔感・衛生管理、安全性、良好な接客を土台に置いた基準です。裁判例は、髪の色や容姿、服装の制限は企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲にとどまるべきだとし、髪を黄色に染めたことを理由とする諭旨解雇やひげを理由とする人事考課の減点を認めていません。身だしなみ規定を見直すときは、各項目の目的の説明、懲戒規定との段階的な連動、緩和の場合も含めた変更手続、個別事情への配慮手続を確認する必要があります。あわせて、録画面接の質問と録画データの取扱い、2026年10月1日から義務化されるカスタマーハラスメント対策と求職者へのセクシュアルハラスメント対策にも備える必要があります。

当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。身だしなみ規定を「昔からのルール」のまま放置せず、1項目ずつ理由を確かめ、規程と現場の運用をそろえるところまで、経営者と一緒に進めてまいります。

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【根拠法令】

労働基準法89条(就業規則の作成及び届出の義務。同条9号は制裁の定め)、90条(作成の手続)、106条(法令等の周知義務)/労働契約法10条(就業規則による労働契約の内容の変更)、15条(懲戒)/障害者の雇用の促進等に関する法律36条の3(雇用の分野における障害者であることに基づく障害の特性に配慮した措置)/職業安定法5条の5(求職者等の個人情報の取扱い)/個人情報の保護に関する法律21条(取得に際しての利用目的の通知等)、23条(安全管理措置)/労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律33条1項(2025年6月に成立した改正法により新設されたカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置。2026年10月1日施行)/求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止のための措置(2026年10月1日施行。指針は2026年2月26日告示)

【参考判例】

イースタン・エアポートモータース事件・東京地方裁判所昭和55年12月15日判決(ハイヤー運転手の口ひげ。一部認容、控訴)/東谷山家事件・福岡地方裁判所小倉支部平成9年12月25日決定(地位保全仮処分申立事件。髪を黄色に染めたトラック運転手の諭旨解雇。一部認容、一部却下)/大阪市交通局事件・大阪高等裁判所令和元年9月6日判決(地下鉄運転士のひげを理由とする人事考課の減点を違法と判断。民主法律協会の報告によれば大阪市の上告断念により確定)/フジ興産事件・最高裁判所第二小法廷平成15年10月10日判決(懲戒処分には就業規則への種別・事由の定めと周知が必要)

【出典・参考資料】

関西テレビ「ファミマの『バイト改革』はなぜ今なのか 制服・髪色・録画面接の先にあるもの 『働く人を会社に合わせる』時代は終わった? ファミマから見るアルバイト争奪戦」(2026年9月配信、Yahoo!ニュース掲載。解説:千葉商科大学基盤教育機構 常見陽平教授)https://news.yahoo.co.jp/articles/2373fbc609a59e42bf8b1e7fe898740a461e21fa/株式会社ファミリーマート ニュースリリース「業界の『あたりまえ』を脱ぎ捨てる。ファミリーマート45周年の挑戦は『いちばん働きたい』コンビニへ!」(2026年8月26日)https://www.family.co.jp/company/news_releases/2026/20260826_01.html/東京メトロ「働きやすさ向上や多様性尊重を目的に駅社員・乗務員の身だしなみルールが変わります!」(2025年4月28日)https://www.tokyometro.jp/news/2025/220601.html/FASHIONSNAP「ファミマがユニフォームを10年ぶりに刷新 落合宏理がデザイン」(2026年8月26日)https://www.fashionsnap.com/article/2026-08-26/family-mart-new-uniform//週刊女性PRIME「ファミリーマートが業界初の『Tシャツ制服』導入で物議、人材確保への一手も〈質や接客マナーを不安視〉の声」(2026年8月28日)https://www.jprime.jp/articles/-/43280/厚生労働省山形労働局「カスタマーハラスメント防止指針及び求職者等に対するセクシュアルハラスメント指針の告示について」https://jsite.mhlw.go.jp/yamagata-roudoukyoku/ha_gimuka-20260306.html

【免責事項】

本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。ファミリーマートの施策は同社の公式発表と報道に基づいて記載しており、「ファミマコーデ」の具体的な許容範囲は公式リリースに掲載されていないため、報道の記載によっています。常見陽平教授の見解は関西テレビの記事における発言の要旨であり、当法人の見解ではありません。紹介した裁判例はいずれも下級審の判断であり、東谷山家事件は仮処分の決定です。裁判例の内容は判決・決定の原文ではなく、判例データベースの要旨と報道・法律家団体の報告に基づいて記載しています。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、身だしなみ基準・服務規律・懲戒規定を含む就業規則の整備、就業規則変更の手続、採用手続の点検、カスタマーハラスメント対応方針の策定支援を担い、懲戒処分の効力をめぐる交渉・訴訟対応が必要な局面では提携する弁護士と連携して対応いたします。

この記事を書いた人

三重 英則(HIDENORI MIE)

社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)

特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)

法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。