トップ
事務所案内
お問合せ
労務コンテンツ一覧
サービス案内
人事労務ニュース
リーフレット
リンク先
IPO労務監査・改善
M&A労務監査
労働問題解決
就業規則作成・改定
給与監査顧問
給与計算代行
同一労働同一賃金対策
労務相談AI
お知らせ
作成日:2026/09/22
36協定を届け出ていても「無効」とされる−過半数代表の選出手続の瑕疵で書類送検された事例(愛媛・宇和島労基署、令和8年8月6日送検)
送検事例解説
36協定を届け出ていても「無効」とされる
過半数代表の選出手続の瑕疵で書類送検された事例(愛媛・宇和島労基署、令和8年8月6日送検)
2026年9月22日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士)

おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。

36協定は、毎年決まった時期に書式を整え、労働基準監督署に届け出て、受理印をもらう。多くの会社で、そこまでを一連の作業として済ませていると思います。届出が受理されたのだから協定は有効である、という理解も広くあります。

労働新聞社が報じた愛媛県の送検事例は、その理解に警告を出すものです。会社は36協定を締結していました。それでも労働基準監督署は、過半数代表を適正に選出していなかったため協定は無効と判断し、有効な36協定がないまま時間外労働をさせたとして、法人と取締役を地方検察庁に書類送検しました。協定書の存在ではなく、誰をどう選んだかという手続が、刑事責任の分かれ目になっています。

📌 この記事でわかること

✓ 36協定を締結し届け出ていても、過半数代表者の選出手続に瑕疵があれば協定は無効となり、時間外労働そのものが法定労働時間規制の違反になること。届出の受理は有効性を保証しません

✓ 過半数代表者の要件は労働基準法施行規則6条の2第1項の2号だけで、管理監督者でないこと、協定等をする者を選ぶと明らかにした投票・挙手等の手続で選ばれ、かつ使用者の意向に基づく選出でないこと。会社が指名した代表は要件を満たしません

✓ 本件の事業場は労働基準法40条と同法施行規則25条の2の特例措置対象事業場で、法定労働時間は1日8時間・1週44時間だったと報じられており、送検の根拠条文も同法40条とされていること

✓ 報じられた時間外労働は最大の者で月92時間に上る一方、立件されたのは1日当たり45分と1週間で9時間43分にとどまり、労働基準監督署は「証拠や供述を総合的に勘案した」とコメントしていること

✓ 過半数代表者の選出手続は刑事事件だけの問題ではなく、民事の裁判でも協定の効力が否定されていること(トーコロ事件・最高裁平成13年6月22日判決)

36協定の有効性を支えているのは、協定書の書式ではなく、選出手続の記録です。

1 報じられた事実の整理

本件は、愛媛県宇和島市で自動車のタイヤ販売を営む有限会社と同社取締役が、松山地方検察庁に書類送検された事案です。労働新聞社の送検記事(2026年9月5日掲載)に基づき、報じられている範囲で整理します。

項目 報じられている内容
送検した機関 愛媛・宇和島労働基準監督署(送検先は松山地方検察庁)
対象 愛媛県宇和島市の自動車タイヤ販売業者(有限会社)と同社取締役
疑われている違反 労働者3人に対し、有効な時間外・休日労働に関する協定(36協定)がないまま時間外労働をさせた労働基準法40条(労働時間及び休憩時間の特例)違反の疑い
協定が無効とされた理由 同社は36協定を締結していたが、過半数代表を適正に選出していなかったため無効と判断された
立件対象期間 令和7年11月21日から同年12月20日まで
対象労働者の業務 販売員の業務に従事していた
時間外労働の状況 最大の者で月92時間。うち1日当たり45分、1週間で9時間43分について立件。一部のみを立件した理由は「証拠や供述を総合的に勘案した」とのコメント
同社の法定労働時間 労働基準法40条の特例により1日8時間、1週44時間
送検日 令和8年8月6日

なお、過半数代表の選出のどこに問題があったのか、具体的な選出方法、割増賃金が支払われていたかどうか、その後の処分の見込みについては、掲載記事からは確認できていません。当法人は捜査資料も判断の詳細も確認できていないため、本記事は労働新聞社の掲載記事に依拠して解説します。書類送検は捜査機関に事件を送る手続であり、有罪が確定したことを意味するものではありません。また、本記事では事業者名の記載を避け、業種と所在地の範囲で扱います。

2 なぜ「協定はあるのに無効」になるのか

労働基準法32条は、1週40時間、1日8時間を超えて労働させてはならないと定めています。この枠を超えて働かせるためには、同法36条1項により、事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは労働者の過半数を代表する者と書面による協定を結び、行政官庁に届け出る必要があります。

36協定の役割は、この規制の違反を免れさせることにあります。協定と届出がそろえば、その範囲内の時間外労働は法定労働時間規制の違反にならない。逆に言えば、協定が無効であれば、免罰の効果は最初から生じません。時間外労働をさせた事実がそのまま違反になります。本件で問われているのは、まさにこの構造です。

では、過半数代表者はどう選べばよいのか。要件は労働基準法施行規則6条の2第1項に2つだけ定められています。

1 法41条2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと
いわゆる管理監督者は過半数代表者になれません。労働時間規制の適用から外れる立場の者が、労働時間の枠を決める協定の当事者になることは認められていません。工場長や店長を「代表」にしている例は、この点で危険を抱えています。

2 法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと
ここには3つの要素が入っています。第1に、何のために選ぶのかを明らかにすること。親睦会の会長や社員会の役員を、選挙の目的を示さないまま協定の当事者に横滑りさせることはできません。第2に、投票、挙手等の方法による手続を経ること。行政解釈(平成11年3月31日基発169号)は、労働者の過半数がその者の選任を支持していることが明確になる民主的な手続によることを求めています。第3に、使用者の意向に基づく選出でないこと。会社が指名した者、輪番で回ってきた者、労働者の側が誰が代表なのかを知らない者は、この要件を満たしません。

同条3項・4項は、過半数代表者であることや、なろうとしたこと、正当な行為をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁じ、使用者に対して協定等に関する事務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行うことを求めています。選出は労働者側の手続であり、使用者は場所と時間と情報を用意する側に回るという建て付けです。

見落とされやすいのが母数です。「労働者の過半数」は事業場単位で数え、パートタイマー、アルバイト、管理監督者、休職中の者も含めた全労働者が母数になります。正社員だけで過半数を計算していた場合、代表者の選出そのものが要件を欠くことになります。

そして、届出の受理は有効性の証明ではありません。労働基準監督署の窓口では、協定書の必要記載事項や限度時間の範囲といった形式が確認されますが、選出手続が実際にどう行われたかまでは審査されません。有効性の裏づけは、会社の側に記録として残っているかどうかにかかっています。本件で監督署が「適正に選出していなかった」と判断できたのも、調査の場でその裏づけが示されなかったからだと考えられます。

3 この事業場の法定労働時間は1週44時間だった

本件で報じられている送検の根拠条文は労働基準法32条ではなく40条です。ここには、規模の小さな事業場に認められた特例が関係しています。

労働基準法40条は、事業の特殊性に応じて労働時間や休憩に関する規定について厚生労働省令で別段の定めをすることを認めています。これを受けた同法施行規則25条の2第1項は、法別表第1第8号、第10号(映画の製作の事業を除く)、第13号及び第14号に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を使用するものについて、同法32条の規定にかかわらず1週間について44時間、1日について8時間まで労働させることができると定めています。いわゆる特例措置対象事業場です。

区分 原則(労基法32条) 特例(労基法40条・施行規則25条の2)
1週間の法定労働時間 40時間 44時間
1日の法定労働時間 8時間 8時間(原則と同じ)
対象となる事業 すべての事業 商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)、保健衛生業、接客娯楽業
規模の要件 なし 常時10人未満の労働者を使用する事業場(事業場単位で判定)
罰則の根拠 6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(同法119条1号) 6か月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金(同法119条3号。40条に基づいて発する厚生労働省令に違反した者)

タイヤの小売は商業に当たり、報じられた法定労働時間が1日8時間・1週44時間であったことは、同社が常時10人未満の事業場であったことを示しています。送検の根拠が40条とされているのは、超えた枠が32条の40時間ではなく、40条に基づく省令が定めた1日8時間・1週44時間の枠だったからと考えられます。罰則の水準は原則の場合と変わりません。

この特例には、注意すべき副作用があります。「うちは週44時間まで大丈夫」という理解が、労働時間管理そのものを緩めてしまうことです。特例は事業場単位の判定であり、常時使用する労働者が10人以上になった時点で1週40時間に戻ります。1年単位の変形労働時間制を採用する場合にも特例は使えません。人が増えた、拠点を統合した、パートを常態的に増やした、といった変化のたびに、前提が生きているかを確認する必要があると考えられます。

4 月92時間のうち、立件は1日45分と1週9時間43分

本件で目を引くのは、報じられた時間外労働が最大の者で月92時間に上る一方、立件されたのが1日当たり45分と1週間で9時間43分にとどまっている点です。労働基準監督署は、一部のみを立件した理由を「証拠や供述を総合的に勘案した」とコメントしています。

刑事事件として立件するには、労働時間の存在を証拠で積み上げる必要があります。タイムカードや業務記録が一部の期間しか残っていない、時刻の裏づけが取れる日が限られている、といった事情があれば、確実に立証できる範囲に絞る判断はあり得ます。立件された時間が1日8時間の枠と1週44時間の枠に対応する形で示されていることからも、特例による法定労働時間の枠を確実に超えたと言える部分だけを取り出したものと考えられます。

ここから読み取るべきことは2つあります。第1に、立件された時間が小さいことは、違反が軽微であったことを意味しないということです。送検の対象になるかどうかは、時間の長さだけで決まるものではありません。第2に、記録が乏しいことは会社の利益にならないということです。刑事責任の範囲は絞られても、未払割増賃金の民事上の請求では、記録の不備は使用者側に不利に働くのが実務の傾向です。労働時間の記録は、監督署に対する説明の材料であると同時に、会社自身を守る材料でもあると考えられます。

なお、36協定が無効であることと、割増賃金の支払義務とは別の問題です。有効な協定がなくても、現に法定労働時間を超えて働かせた時間については、労働基準法37条により割増賃金を支払う義務が生じます。協定がないから残業代も発生しないという理解は誤りです。

5 法人と取締役の双方が送検された理由

本件では、会社と同社取締役の双方が書類送検されています。これは労働基準法の罰則の構造によるものです。

同法10条は、使用者を「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者」と定めています。違反行為をした自然人が処罰の対象となる一方、同法121条1項は、違反行為をした者が当該事業の労働者に関する事項について事業主のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合には、事業主に対しても各本条の罰金刑を科すると定めています。いわゆる両罰規定です。代表権のない取締役は、この「使用人その他の従業者」に当たる典型例とされています。

同項ただし書は、事業主が違反の防止に必要な措置をしていた場合には罰金刑を科さないとしています。もっとも、この免責は容易には認められません。裁判例は、一般的抽象的に法違反のないよう注意しただけでは足りず、違反行為の防止のための具体的な注意義務の付与と個別的な監督等の措置が必要であるとしています。「現場に任せていた」という説明は、法人の責任を免れる理由になりません。

労務管理を現場の管理者に委ねている会社にとって、この構造は他人事ではありません。時間外労働の指示を出したのは店長であっても、責任は法人にも及びます。逆に、法人として労働時間の上限と協定の範囲を具体的に指示し、実績を確認する仕組みがあれば、それは免責の主張の土台になると考えられます。

6 選出手続は民事の裁判でも争われている

過半数代表者の選出手続の瑕疵は、送検という場面だけの問題ではありません。民事の裁判でも、協定の効力が正面から否定されています。

代表的なものがトーコロ事件(最高裁第二小法廷平成13年6月22日判決、労働判例808号11頁)です。会社は、全従業員で構成される親睦団体の代表者と36協定を締結していました。裁判所は、この親睦団体は労働組合ではなく、その代表者は労働組合の代表者でも労働者の過半数を代表する者でもないとして、36協定は無効であると判断しました。この事件では、残業命令を拒否したことを理由とする解雇の有効性が争われており、協定が無効であれば時間外労働を命じる根拠を欠くという形で、会社の人事上の判断そのものが覆っています。過半数代表者の選出方法をめぐっては、全日本検数協会事件(名古屋高裁昭和46年4月10日判決、判例タイムズ261号152頁)も参照されています。

直近では、松山大学の教授3人が専門業務型裁量労働制に関する労使協定の効力を争った事件で、令和8年7月7日、高松高等裁判所が過半数代表者の選出手続に問題があるとして協定を無効と判断し、大学側が敗訴したと報じられています。報道によれば大学は上告する方針であり、この判決は確定したものではありません。当法人は判決文の原文を確認できていないため、内容の詳細は本記事では扱いません。ただし、選出手続の適正さが裁判の場で厳しく検証される流れにあることは、押さえておく必要があると考えられます。

36協定に限った話でもありません。1か月単位の変形労働時間制、フレックスタイム制、事業場外みなし労働時間制、裁量労働制、賃金控除の協定、年次有給休暇の計画的付与。労使協定を前提とする制度はいずれも、同じ1人の過半数代表者の選出手続に効力を依存させていることがあります。選出が無効であれば、制度が連鎖的に土台を失う構造です。

7 自社の36協定を点検する5項目

本件を自社に引きつけて読むなら、確認すべきは次の点です。

点検1 選出の記録が残っているか

協定書と届出の控えは残っていても、選出の記録がない会社が少なくありません。投票や挙手の実施を示す文書、候補者の周知文、集計結果、選出された者の氏名と選出日を、協定書と同じ場所に保管してください。監督署の調査で問われるのは、協定書の体裁ではなく、この記録の有無です。

点検2 「何のために選ぶのか」を示していたか

労働基準法施行規則6条の2第1項2号は、協定等をする者を選出することを明らかにして実施される手続であることを求めています。社員会の役員選挙や朝礼での挨拶に紛れ込ませるのではなく、36協定の締結当事者を選ぶという目的を明記した周知文から手続を始める必要があります。

点検3 代表者が管理監督者になっていないか

工場長、店長、部長といった役職者を代表者としている場合、その者が労働基準法41条2号の管理監督者に当たると評価されれば、選出は要件を欠きます。役職名ではなく、権限と待遇の実態で判断されます。管理監督者性そのものが争われやすい論点であることも考えると、役職者を避けておくほうが安全と考えられます。

点検4 母数の数え方が正しいか

「労働者の過半数」は事業場単位で数え、パートタイマー、アルバイト、管理監督者、休職中の者も母数に含めます。正社員だけを分母にしていた、本社で一括して選出していた、といった運用は、それ自体が瑕疵になります。事業場が複数あるなら、事業場ごとの締結と届出が必要です。

点検5 同じ代表者に依存している協定を洗い出せているか

36協定のほか、変形労働時間制、フレックスタイム制、賃金控除、計画年休など、労使協定を前提とする制度を一覧にしてください。選出手続に瑕疵があれば、これらが同時に効力を失うおそれがあります。36協定だけを点検して安心できる構造にはなっていません。

8 当法人の視点

36協定の届出は、多くの会社で年に1度の事務作業として処理されています。書式は整い、押印もあり、受理印も付いている。それでも本件のように無効と判断される余地が残るのは、協定の有効性を支える事実が、書面のどこにも表れていないからです。誰が、いつ、どういう周知のもとで、どれだけの支持を得て選ばれたのか。この情報は、協定書の様式に書く欄がありません。だからこそ、意識して残さなければ残りません。

当法人が顧問先の労務監査で最初に確認するのも、協定書ではなく選出の記録です。IPOの労務監査やM&Aの労務デューデリジェンスの場面では、この記録の不在が過去の時間外労働全体の適法性に疑義を生じさせるため、後から作り直すことができない論点として扱われます。数年分の残業について「有効な協定がなかった」と評価されれば、影響は未払賃金の算定にまで及びます。送検という結末に至らなくとも、無効な協定は静かに負債を積み上げています。

当法人の見解

過半数代表者の選出は、労働者側の手続です。使用者が主導すればするほど、要件から外れていきます。ここに、多くの会社がつまずく理由があると考えられます。事務を滞らせたくない会社が、良心的に段取りを整え、候補者まで用意してしまう。その親切が、使用者の意向に基づく選出という評価を招きます。会社が用意すべきものは候補者ではなく、目的を明記した周知文、投票の機会、そして結果を記録する様式です。

本件で問われているのは月92時間の長時間労働そのものではなく、その残業を支える手続が空だったことです。36協定は、残業を許可する書類ではなく、労働時間の枠を労使で決めたという事実の記録です。事実がなければ、書類は会社を守りません。

まとめ

愛媛・宇和島労働基準監督署の送検事例は、36協定を締結していた会社が、過半数代表を適正に選出していなかったことを理由に、有効な協定がないまま時間外労働をさせたとして法人と取締役を書類送検されたものです。同社は労働基準法40条と同法施行規則25条の2の特例措置対象事業場で、法定労働時間は1日8時間・1週44時間。立件は月92時間の時間外労働のうち1日当たり45分と1週間で9時間43分にとどまりました。

協定書は残ります。届出の受理印も残ります。しかし選出の記録は、意識して残さなければ何も残りません。当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。年に1度の届出を作業として終わらせるのではなく、有事に会社の判断を説明できる手続として組み立て直すところから、一緒に点検してまいります。

自社の36協定は、本当に有効ですか

過半数代表者の選出手続の設計と記録の整備、労使協定の棚卸し、労働時間管理の点検まで、
社会保険労務士法人T&M Nagoya がご相談をお受けします。

▶ 無料相談のお申し込みはこちら

【根拠法令】

労働基準法10条(使用者の定義)、32条(労働時間)、36条1項(時間外及び休日の労働)、37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)、40条(労働時間及び休憩時間の特例)、41条2号(管理監督者)、119条1号・3号(罰則)、121条1項(両罰規定)/労働基準法施行規則6条の2(過半数代表者の要件)、25条の2(1週44時間の特例)/過半数代表者の選出手続に関する行政解釈(平成11年3月31日基発169号)

【参考判例】

トーコロ事件・最高裁判所第二小法廷平成13年6月22日判決(労働判例808号11頁。親睦団体の代表者と締結した36協定を無効とし、残業命令拒否を理由とする解雇を無効とした事案)/全日本検数協会事件・名古屋高等裁判所昭和46年4月10日判決(判例タイムズ261号152頁)/松山大学の専門業務型裁量労働制に関する労使協定の効力が争われた事件・高松高等裁判所令和8年7月7日判決(報道によれば過半数代表者の選出手続の問題により協定を無効とし、大学側は上告する方針とされています。当法人は判決文の原文を確認できておらず、判決は確定していません)

【免責事項】

本記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。本件の事実関係は労働新聞社の掲載記事(2026年9月5日)に依拠しており、当法人は捜査資料を確認していません。書類送検は有罪が確定したことを意味するものではありません。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、過半数代表者の選出手続の設計と記録の整備、36協定その他の労使協定の点検、労働時間管理と就業規則の整備、労働基準監督署の調査への対応支援を担い、刑事事件の弁護および交渉代理・訴訟対応が必要な局面では提携する弁護士と連携して対応いたします。

この記事を書いた人

三重 英則(HIDE)

社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)

特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)

法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。