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作成日:2026/10/16
【裁判例】社宅の敷金・礼金を給与から天引きして初任給「0円」 特定技能外国人への一方的な控除を労働基準法違反とし、慰謝料40万円を含む約100万円の支払を命じた東京地裁2026年9月11日判決
裁判例解説
社宅の敷金・礼金を給与から天引きして初任給「0円」
特定技能外国人への一方的な控除を労働基準法違反とし、慰謝料40万円を含む約100万円の支払を命じた東京地裁2026年9月11日判決
2026年10月16日|社会保険労務士法人T&M Nagoya 三重 英則(特定社会保険労務士)

おはようございます。社会保険労務士法人T&M Nagoya(名古屋市中区)の三重英則です。

外国人材を受け入れる会社は、来日直後の住まいを社宅や借り上げ住宅で用意することが少なくありません。そのとき、敷金・礼金・家電代などの初期費用を誰が負担し、どう精算するのかは、実務ではしばしば曖昧なまま残ります。「立て替えた分は、あとで毎月の給与から引けばよい」。そう考えている経営者は、日本人を雇う場面でも珍しくないはずです。

2026年9月11日、東京地方裁判所は、特定技能の在留資格で来日したミャンマー国籍の女性が、つけめん店「三ツ矢堂製麺」の運営会社を訴えた事件で、社宅の初期費用などを一方的に給与から差し引いた行為を労働基準法違反と判断し、未払賃金に加えて慰謝料40万円を含む約100万円の支払を命じたと報じられています。未払賃金を払わせるだけで終わらず、天引きと社宅からの即日退去の要求を不法行為と評価して慰謝料まで認めた点に、この判決の特徴があります。本記事では、報道で確認できた事実に限って判決を整理し、賃金控除のルールと、社宅と退職をめぐる実務上の注意点を考えます。

📌 この記事でわかること

✓ 特定技能で来日した女性が、社宅の敷金・礼金や家電代などを給与から天引きされて初任給が0円になったとして運営会社に約170万円を求めた訴訟で、東京地裁(細川英仁裁判官)は2026年9月11日、約100万円の支払を命じたと報じられていること

✓ 判決は、初期費用の一方的な天引きを労働基準法違反とし、多額の天引きと社宅からの即日退去の要求を民法上の不法行為に当たるとして、未払賃金(約54万円または約56万円と報道により異なる)とは別に慰謝料40万円を認めたとされること

✓ 賃金から控除できるのは、法令に定めがある場合と労使協定(いわゆる24協定)がある場合に限られ、労働者の同意による相殺も「自由な意思に基づく」と認めるに足りる合理的な理由が客観的に必要であること(日新製鋼事件)

✓ 特定技能所属機関には、報酬を日本人と同等以上とする義務と、1号特定技能外国人の支援(住居の確保を含む)に要する費用を本人に負担させない義務が省令で定められていること

✓ 判決原文は未確認で、事件番号、未払賃金の正確な額、24協定の有無、控訴の有無は確認できていないこと

「生活できない水準まで天引きしたこと」と「住まいを人質にしたこと」の2つが、賃金トラブルを人格的利益の侵害へと変えました。

1 本記事の情報源と限界

本判決は、本記事の執筆時点で判決原文を確認できていません。本記事は次の報道に基づいて構成しています。

第1は、2026年9月11日に時事通信が配信した記事です。判決日、裁判所、裁判官名、原告がミャンマー国籍の30歳の女性であること、未払賃金約54万円と慰謝料40万円の計約100万円の支払を命じたこと、来日が前年1月下旬で退職が同年6月中旬であること、2月と3月の支給額が0円、4月が約4万円、5月が約12万円であったこと、多額の天引きと社宅からの即日退去要求が民法上の不法行為に当たると判断したことは、この記事で確認できます。

第2は、毎日新聞の配信記事です。請求額が約170万円であること、契約上は基本給と固定残業代を合わせた約25万円から保険料や社宅費を差し引いて約18万円が支給される予定であったこと、初任給となる3月の給与が0円であったこと、未払賃金を約56万円としていること、労働基準法24条違反を認めたことは、同記事を引用した解説記事で確認しました。当法人は毎日新聞の本文を直接確認できていません。

第3は、FNNプライムオンラインの配信記事とウェブメディアの解説記事です。裁判所が会社の行為を「違法性が顕著」と評価し、原告が「生命を維持するための必要最低限の食事や公共料金の支払いさえも事欠く極限的な状態に置かれた」と述べたこと、会社側が判決を重く受け止め法令遵守を徹底するとのコメントを出したこと、原告代理人が特定技能制度では転職が容易でない弱みにつけ込んだ扱いだと述べたことは、これらの記事に依拠しています。いずれも単一の情報源によるものです。

確認できていない事項

1 判決原文と事件番号。判決理由の正確な文言、賃金控除に関する労使協定(24協定)の有無、控除項目ごとの判断は不明です。

2 未払賃金の額。時事通信は約54万円、毎日新聞を引用した解説記事は約56万円としており、どちらが正確かは確認できません。総額は「約100万円」の報道が複数あります。

3 支給額が0円だった月。時事通信は「2月と3月」、毎日新聞は「初任給となる3月給与」と報じており、記載がずれています。支払月と対象期間のどちらで数えたかの違いである可能性がありますが、確認できていません。

4 解説記事には、航空券代約6万円は労働者の負担とされ、原告側にも支払が命じられたとの記載がありますが、主要報道では確認できていません。

5 退職の経緯。解雇なのか、退職を求められて応じたものなのか、その法的評価は報道からは分かりません。

6 控訴の有無と確定の有無。本判決は地方裁判所の第一審判決であり、上級審で判断が変わる可能性があります。

2 事案の概要
項目 報道で確認できる内容
原告 ミャンマー国籍の女性(判決時30歳)。在留資格は「特定技能」
被告 つけめん店「三ツ矢堂製麺」の運営会社(東京都)
経緯 2025年1月下旬に来日し、都内の店舗で勤務。契約上は基本給と固定残業代を合わせた約25万円から保険料や社宅費を差し引き、約18万円が支給される予定であった(毎日新聞の報道による)。会社は社宅の敷金・礼金や家電代などを給与から天引きし、支給額は0円の月(時事通信は2月・3月分、毎日新聞は3月給与)、4月は約4万円、5月は約12万円にとどまった。2025年6月中旬に退職
提訴時の報道 2025年7月の東京新聞の報道では、出勤日数20日の月に153時間30分働いたのに支給額が0円で、事前に合意していない社宅使用料などが控除されていたとされる(本記事では見出しと冒頭部分のみ確認)
請求 未払賃金など計約170万円
判決 2026年9月11日、東京地方裁判所(細川英仁裁判官)。未払賃金約54万円(毎日新聞を引用した解説記事では約56万円)と慰謝料40万円の計約100万円の支払を命じる(一部認容)
3 裁判所の判断(報道に基づく)

報道から読み取れる争点は2つです。1つは、社宅の敷金・礼金や家電代などの初期費用を、労働者の合意や労使協定によらずに給与から差し引くことが許されるかという、賃金を払ったか払っていないかの問題です。もう1つは、多額の天引きや社宅からの即日退去の要求が、未払賃金とは別に慰謝料を要する不法行為に当たるかという、会社の振る舞いそのものが権利侵害に当たるかの問題です。報じられている判断の骨子は次のとおりです。

報じられている判決の骨子

1 天引きは労働基準法違反。社宅の敷金・礼金などの初期費用を一方的に給与から天引きした行為は、労働基準法(24条)に違反する。

2 「極限的な状態」。原告は、違法な天引きによって、生命を維持するための必要最低限の食事や公共料金の支払いにも事欠く極限的な状態に置かれた(解説記事が伝える判決の表現)。

3 不法行為と慰謝料。多額の天引きと社宅からの即日退去の要求は民法上の不法行為に当たる。会社は優越的な地位を利用して原告の人格的利益を侵害したと評価され、慰謝料は40万円とする。

4 結論。未払賃金と慰謝料の計約100万円の支払を命じる(請求は約170万円)。

金額について1点お断りします。時事通信は未払賃金を約54万円、毎日新聞を引用した解説記事は約56万円と報じています。54万円と40万円を足すと94万円、56万円と40万円を足すと96万円で、いずれも「約100万円」とは若干の差があります。遅延損害金などの扱いによる可能性がありますが、内訳は確認できていません。本記事では、本文を直接確認できた時事通信の約54万円を基本にしています。

4 賃金から差し引けるものは何か――全額払いの原則と「同意による相殺」の限界

労働基準法24条1項は、賃金は「その全額を支払わなければならない」と定めています。例外は2つだけです。1つは、所得税や社会保険料のように法令に別段の定めがある場合、もう1つは、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(それがないときは労働者の過半数を代表する者)との書面による協定、いわゆる24協定がある場合です。違反には30万円以下の罰金が定められています(同法120条1号)。

では、労働者本人が同意すれば差し引けるのでしょうか。最高裁は、日新製鋼事件(最高裁第二小法廷平成2年11月26日判決)で、労働者の同意に基づく相殺は、その同意が「労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する」ときに限って全額払いの原則に反しないと判断しました。同意があればよいのではなく、同意が自由な意思によるものだと客観的に裏付けられることが求められます。会社に住まいと在留資格を頼っている外国人労働者について、この裏付けを示すことがどれほど難しいかは、想像に難くありません。

本件では、報道によれば「事前に合意していない」控除がされていました。したがって、24協定の有無にかかわらず、社宅の敷金・礼金という性質の費用を労働者の同意なく差し引くことは許されない、と判断されたものと考えられます。ただし、24協定の有無や、協定があったとすればどの項目が定められていたかは、報道からは確認できません。

区分 例 控除に必要なもの
法令に基づく控除 所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料 法令そのものが根拠。協定は不要
24協定による控除 社宅・寮の使用料、食事代、親睦会費、組合費など 労使協定に控除する項目を具体的に定めること。「その他会社が必要と認めるもの」といった包括的な記載には問題があるとされる
個別の同意による相殺 貸付金の返済など 労働者の自由な意思に基づく同意と認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在すること(日新製鋼事件)。書面化と事前の説明が最低限必要
控除できないもの 会社が一方的に決めた損害賠償、合意のない「初期費用」、根拠が不明確な立替金 ―
5 なぜ慰謝料まで認められたのか――「極限的な状態」と「優越的な地位」

未払賃金の事件では、賃金が支払われれば損害は回復されるのが原則で、それとは別の慰謝料は認められにくいというのが実務の一般的な感覚です。本判決があえて40万円の慰謝料を認めたことは、この感覚からすると目を引きます。

報道から読み取れる限り、裁判所が重く見たのは2つの事情です。1つは、天引きの額が、生活できないほどの水準に達していたことです。契約上の手取り見込みが約18万円であったのに、支給額が0円の月があり、その後も約4万円、約12万円にとどまったと報じられています。もう1つは、特定技能という、職場を変えることが容易でない在留資格の労働者に対して、社宅からの即日退去を求めたことです。生活の基盤である賃金と住まいの両方を、会社が同時に奪う形になったことが、「優越的な地位を利用した人格的利益の侵害」という評価につながったと読めます。原告代理人は、特定技能制度では転職が容易でない弱みにつけ込んだ不当な扱いだと述べたと報じられています。

ここで注意していただきたいのは、本判決が「給与控除に誤りがあれば慰謝料が発生する」と言ったわけではないことです。慰謝料40万円は、生活できないほどの天引きと即日退去の要求が重なった本件の事情を前提としたものです。一方で、住まいと在留資格を会社に頼る立場の労働者に対しては、賃金トラブルが人格的利益の侵害として評価されやすくなるという傾向を示す一例として、注目に値すると当法人は考えます。本判決は第一審判決であり、判決原文の確認や上級審の判断によって評価が変わり得ることも付け加えておきます。

6 実務への示唆――社宅の初期費用と、退職時の住まい

以下は、本件の事実関係を離れて、一般的な実務として整理したものです。本件は外国人雇用の事件ですが、賃金控除の教訓は日本人の雇用にもそのまま当てはまります。

点検1 給与から差し引いている項目を棚卸ししているか

自社で給与から控除している項目をすべて書き出し、第4章の表に当てはめてください。法令に基づくものと24協定に項目として書かれているもの以外が残れば、それは全額払いの原則に反している可能性があります。24協定の控除項目が「その他会社が必要と認めるもの」のような包括的な書き方になっている場合は、項目を具体的に書き直す必要があります。

点検2 社宅の初期費用を誰が負担するのか、契約書で決めているか

敷金・礼金・仲介手数料・家電代などの初期費用は、会社が負担するのか、本人に負担させるのか、負担させるならいくらをどのように返してもらうのかを、雇用契約書と社宅使用契約書に事前に明記してください。本人負担とする場合でも、1か月の控除額は生活できる水準に抑えることが不可欠です。民事執行法が給料の4分の3を原則として差押禁止としている考え方(152条1項)は、1つの目安になります。契約で示した手取り額が実際には0円になるような事態は、説明不足以前の問題です。

点検3 雇用を終える場面で、住まいを人質にしていないか

本判決で慰謝料が認められた理由の1つは、社宅からの即日退去の要求です。社宅に住む労働者、とくに外国人にとって、退職と同時に住まいを失うことは生活の基盤を失うことを意味します。雇用を終える場合でも、退去までの猶予期間を設けること、解雇予告や解雇理由の説明といった退職・解雇の手続を正規に踏むこと、次の受入れ先や在留手続について支援機関と連携して情報を提供することが、紛争予防の面でも重要です。

点検4 入社前に、母国語で手取り額まで説明しているか

外国人を雇う場合は、労働条件を母国語で説明したうえで、総支給額から控除項目を差し引いた手取り額のシミュレーションを入社前に示してください。退職者の未払賃金には、退職日の翌日から年14.6%の遅延利息がかかります(賃金の支払の確保等に関する法律6条1項)。控除に疑義が生じたときは、争うより早期に是正するほうが損失は小さく済みます。

特定技能外国人を受け入れる会社(特定技能所属機関)には、労働基準法の上に、さらに上乗せのルールがあります。

特定技能所属機関に課される主な義務(特定技能基準省令)

1 報酬の同等性。外国人に対する報酬の額が、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること(省令1条1項3号)。

2 支援費用の本人負担の禁止。1号特定技能外国人支援に要する費用について、直接又は間接に外国人に負担させないこととしていること(省令2条1項8号)。

3 住居の確保に係る支援。外国人が締結する賃貸借契約の保証人となることその他の適切な住居の確保に係る支援を、支援計画の内容とすること(省令3条1項1号ハ)。

4 保証金・違約金の禁止。保証金の徴収や違約金を定める契約をしていないこと(省令2条1項7号)。

住居の確保は支援の内容に含まれます。どこまでが本人負担としてよい家賃で、どこからが会社が負担すべき支援費用なのかを誤ると、労働基準法違反にとどまらず、入管法上の受入れ基準の問題にも発展しかねません。登録支援機関や行政書士と確認しながら整理する必要があります。なお、本判決が入管法上の基準に触れたかどうかは、報道からは確認できません。

7 当法人の視点

「立て替えた分を給与から引く」という発想は、会社の側からすれば立替金の回収にすぎません。しかし労働基準法は、その回収を賃金から行うことを原則として禁じています。本判決は、この原則を、最も弱い立場の労働者に対して破ったときに何が起きるかを示した例だと当法人は受け止めています。

当法人の見解

本判決の実務上の意義は、賃金控除の違法性そのものより、控除の「程度」と「相手」によって、同じ違反が不法行為に格上げされることを示した点にあると当法人は考えます。社宅費を24協定なしに控除している会社は、残念ながら少なくありません。その多くは、未払賃金の支払で決着します。本件が慰謝料にまで至ったのは、手取りが0円になる水準まで差し引いたうえ、住まいからの即日退去を迫ったからです。つまり、違反の有無だけでなく、労働者の生活がどうなったかが、賠償の大きさを決めています。

反対の見方もあります。会社は敷金・礼金や家電代を実際に立て替えており、本人のために支出した費用を回収すること自体は不当ではない、入社後わずか数か月で退職されれば会社が損失を抱えるだけだ、という主張です。当法人も、立替費用の回収という利益が正当であること自体は否定しません。しかし、回収の方法は賃金からの控除以外にいくらでもあります。会社負担として最初から賃金設計に織り込む、社宅使用料として24協定に基づき月々控除する、本人と書面で合意した貸付金として賃金とは別に返済を受ける、といった方法です。回収したい額が正当でも、賃金から一方的に引いた瞬間に、会社は正当性を失います。解説記事によれば、本件でも航空券代については労働者の負担とされたと伝えられています。費用の性質ごとに、誰が負担すべきかと、どう精算すべきかを分けて設計することが、会社の利益を守る道でもあります。

簡易な確かめ方を1つ挙げます。直近の給与明細から、法定控除(税・社会保険料)以外の控除項目を抜き出し、それぞれについて「24協定の何番目の項目か」または「本人といつ、どの書面で合意したか」を1行で書いてみてください。1行で書けない項目があれば、そこが本判決と同じ構造の問題を抱えている箇所です。

まとめ

2026年9月11日、東京地方裁判所(細川英仁裁判官)は、特定技能で来日したミャンマー国籍の女性が「三ツ矢堂製麺」の運営会社を訴えた事件で、社宅の敷金・礼金などの初期費用を一方的に給与から天引きした行為を労働基準法違反とし、未払賃金(時事通信によれば約54万円)に加えて、多額の天引きと社宅からの即日退去の要求を不法行為として慰謝料40万円を認め、計約100万円の支払を命じたと報じられています(請求は約170万円)。判決原文、未払賃金の正確な額、24協定の有無、控訴の有無は確認できていないため、本記事は報道に基づく整理であることを重ねてお断りします。

当法人は「経営者と共に歩き、最善の解を導き出す」ことを使命としています。給与から差し引けるのは、法令か24協定か、本当に自由な意思に基づく合意がある場合だけです。社宅の初期費用の負担は契約で事前に決め、雇用を終える場面で住まいを人質にしない。外国人材の受入れが広がるなかで、この2点を顧問先と点検しておくことが、紛争の予防につながります。24協定と社宅規程の整備については就業規則作成・改定支援、賃金をめぐる紛争の初動については労働紛争解決支援のページもご覧ください。

その控除項目、24協定に書いてありますか

賃金控除の棚卸し、24協定と社宅規程の整備、外国人材の労働条件の設計まで、
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【根拠法令】

労働基準法24条1項(賃金の全額払いの原則と例外)、120条1号(罰則)/民法709条(不法行為)、710条(財産以外の損害の賠償)/賃金の支払の確保等に関する法律6条1項(退職労働者の賃金に係る遅延利息)/民事執行法152条1項(差押禁止債権)/特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(特定技能基準省令)1条1項3号、2条1項7号・8号、3条1項1号ハ

【参考判例】

本件:東京地方裁判所2026年(令和8年)9月11日判決(細川英仁裁判官)。当法人は判決原文を確認できていません。事件番号、未払賃金の正確な額、24協定の有無、控訴の有無と確定の有無は不明です。/日新製鋼事件(最高裁判所第二小法廷平成2年11月26日判決)

【出典・参考資料】

時事ドットコム「つけめん店運営会社に賠償命令 『特定技能』外国人の就労巡り―東京地裁」(2026年9月11日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026091101002&g=soc/Yahoo!ニュース(毎日新聞配信)「特定技能の給与違法天引き ラーメン店側に支払い命令 東京地裁」(2026年9月11日) https://news.yahoo.co.jp/articles/d54541cf5c58809983f5b00c5aa67602815abc9a/Yahoo!ニュース(FNNプライムオンライン配信)「初任給『0円』ラーメン店運営会社側に約100万円支払い命令 ミャンマー国籍女性の3カ月賃金4万円未満 『違法性が顕著』東京地裁」 https://news.yahoo.co.jp/articles/321819cd6f55b3222c1dadbb033e42c431e53774/東京新聞デジタル「153時間働いたのに支給額『0円』の衝撃 『三ツ矢堂製麺』運営会社をミャンマー人労働者が提訴」(2025年7月) https://www.tokyo-np.co.jp/article/422419/厚生労働省「確かめよう労働条件」裁判例(賃金の相殺) https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/hanrei/chingin/sousai.html/日本法令外国語訳データベースシステム「特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令」 https://www.japaneselawtranslation.go.jp/en/laws/view/3627/ja

【免責事項】

本記事は2026年10月2日時点の情報に基づく一般的な解説であり、個別の法的助言を構成するものではありません。本記事で取り上げた判決は、判決原文ではなく報道に基づいて構成しており、毎日新聞の報道内容は同記事を引用した解説記事を通じて確認したものです。判決の「極限的な状態」「違法性が顕著」という表現と会社側のコメントは、FNNプライムオンラインの見出しおよびウェブメディアの解説記事に依拠しています。当事者の心情や経緯について、報道にない事実を補ってはいません。具体的な事案については、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。

なお、紛争性のある事案の交渉代理および訴訟代理は、弁護士法72条により社会保険労務士の業務範囲外です(特定社会保険労務士による個別労働関係紛争のあっせん代理等の法定の例外を除きます)。当法人は、賃金控除の棚卸しと24協定の整備、社宅規程と雇用契約書の設計、外国人材の労働条件の説明資料の作成を担い、未払賃金や損害賠償が争われる局面では提携する弁護士と連携して対応いたします。在留資格に関する手続は行政書士の業務であり、必要に応じて連携します。

この記事を書いた人

三重 英則(HIDENORI MIE)

社会保険労務士法人T&M Nagoya 社員(特定社会保険労務士)

特定社会保険労務士/経営心理士/経営法曹会議賛助会員(SRP認証番号第160175号)

法律事務所で約7年間、使用者側・労働者側双方の労働紛争を経験。年間350件以上の相談に対応し、20年以上にわたる紛争解決の実績を持つ。IPO労務監査、M&A労務デューデリジェンス、団体交渉対応など高難度案件を専門とし、「経営者と共に歩き続ける」伴走型の支援を提供している。