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作成日:2024/12/09
CROWNMEDIAでの記事をご紹介
 
クラウンメディアにて、私がこの資格を選んだ理由というテーマで、記事が公開されております。
ご興味がございましたら、ご確認くださいませ。


紹介記事

 


大杉:本日のゲストは、同じく社会保険労務士で、私にとっては大先輩にあたる三重英則先生です。まずは自己紹介をお願いします。お名前、事務所の所在地、資格、主な取扱業務について教えてください。

三重:名前は三重英則と申します。愛知県名古屋市で事務所を構えております。社会保険労務士の資格を30歳のときに取得し、経験としては約23年になりますね。司法書士事務所や弁護士事務所を経て現在に至り、主な業務としては、労働問題が中心です。具体的には従業員個人と企業との間の紛争、あるいは労働組合との団体交渉の対応が多いです。また、日常的な労務相談やIPOに向けた労務監査、就業規則の作成や改善支援、休職制度に関する対応も行っており、最近は特に休職制度の支援に力を入れています。

大杉:資格取得のきっかけについてお伺いしたいのですが、なぜ社労士資格を選ばれたのでしょうか?他の資格ではなく、社労士を目指された理由があれば教えてください。

三重:最初は特に社労士というわけではなく、一つ目の理由は、何か資格を取ろうかという漠然とした思いで、とにかく、胸にバッジをつけて街中を闊歩したいなと。二つ目の理由は、短期で取得できる資格が良いと考えていましたので、当時は司法書士のような合格率2%台の資格は自信がなかったですし、長期間の学習は向いていないと感じていたこともありました。

3つめの理由としては、司法書士事務所で働いていた際、資格がないと自分が満足できる動きはできないなと感じたことです。やはり士業の世界でやりたい仕事をするためには、資格が必要だなと実感しましたね。そして4つ目の理由として、大学時代に父が事故に遭い、その際にお世話になった方の名刺の肩書きが社会保険労務士で、身内が困った時に助けてくれる、こんな資格があるんだなと興味を持ったことも、きっかけの一つになっています。

大杉:印象的なエピソードですね。学校を卒業されて、司法書士事務所にいらした時に資格を取得されたんですか?

三重:そうですね、司法書士事務所に勤務している時に資格を取りました。その後はちょっと特殊な動きをしていて、弁護士事務所に正社員として勤めながら開業登録もしていたんですよ。自分の事務所を構えたのは6年前ですが、開業歴としては15年以上になりますね。ただ、弁護士事務所の正社員としての仕事がありますから、社労士としての活動は極めてコンパクトな状況でした。

大杉:社労士以外の方に少しご説明すると、社労士は開業・勤務・その他という3種類の登録がありますので、企業に勤める場合は外部のクライアントさんと契約はできないということになります。6年前まではずっと弁護士事務所にいらっしゃったのですか?

三重:いえ、弁護士事務所には7年間在籍していたのですが、主に労働者側の代理業務をしている事務所だったので、私の稼ぎも単発の案件になるんですね。もう少し社労士業務を自分のほうで主導したいなと思い、そこを退所して一旦、他の社労士事務所の従業員になり、使用者側の業務を中心とした対応を学びました。その後、事務所を構えて本格的に開業ということになりますね。

大杉:それは羨ましいですね。社労士は企業側の支援が多いので、労働者側の業務をご経験されていることは強みになると思います。そうしたキャリアを経て、最近は特に休職制度へ力を入れているということですが、少し詳しく教えていただけますか?

三重:休職相談に関しては多くの先生方が対応されているとは思いますが、私もやはり、クライアントから、労働者が突然診断書を持ってきた、と相談に来られるということが頻繁にありまして、たくさん対応をしている中で、特に復帰の際にトラブルが発生する傾向にあるなと感じていました。事例を見ながら、なぜこうもトラブルになるのか?と考えていたのですが、これといった結論を出せずにいたんです。

そんな中、去年の夏でしたかね、とあるセミナーに参加させていただいたのですが、講師が労働衛生コンサルタントでもある岡山大学の准教授と、弁護士と社労士、合わせて3名での展開だったんですね。ここで、地方公務員安全衛生推進協会でも実際に運用されてもいる休職制度について学んだのですが、その内容に結構な衝撃を受けたんです。

というのも、先ほどお伝えした私の疑問点を解決してくれる方法だと感じたからでして、これをヒントに私は現在、その学んだ制度である「面接シナリオ型休職制度」を推奨・提案しています。休職の開始から復帰までのプロセスを明確化し、復帰基準を「健康基準」「業務基準」「労務基準」の3つに分け、それぞれを明確に定義する、休職者に週1回の報告書提出を求めるなど、プロセスを見える化することで、企業も労働者も納得しやすい運用を実現するものです。

一般的に、休職というと休むことにフォーカスされがちですし、確かに会社からすると、社員が突然出社しなくなった、いきなり診断書が送られてきたというのは非常に困りますから、その対応も需要なことです。しかし、それでお休みを取った社員はいずれ職場に復帰するわけですから、ここを上手く進める支援もしようというのが、面接シナリオというメソッドだと思います。休職を命じる際には具体的な説明を確実に実施し、復帰を検討する際には主治医の診断書だけで振り回されない様に職場復帰の基準を明確化したという点にこのメソッドの素晴らしさがあります。

休職に入る前の段階で、ご本人、同居のご家族や身元保証人などの関係者に対して、人事担当者から私が作ったシナリオを読み上げてもらうことで、言ってはいけないことなどを気にせずに適切な説明ができるため、会社側としては安心感があるようです。用意されたシナリオを読み上げる対応により、説明対応が平準化するというメリットもありますね。もちろん、労働者としても自分に必要な療養期間や、復帰する迄の期間などが明確になりますので、解釈の違いなどを気にせず安心して休めるということになると思います。

大杉:非常に体系的で、現実的な制度ですね。これから休職制度を整備したい企業にとって、大きな助けになるお話だと思います。他にも労務監査などたくさんのお仕事をされている中で、新たに挑戦を考えられていることや、社労士業界としてこれからやったほうが良いとお考えのことなど、未来のお話をお聞かせいただけますか?

三重:労務監査については、上場する企業がバンバン出てくるかというとそうではないでしょうし、やはり専門性が高い特殊な業務でもありますから、対応できる方もまだまだ少ないのが現状です。しかし、思いを持った社労士が増えて、社労士が労務監査をやっているという認識が広まれば、もっと展開できる分野なのかなと思っています。

また、最近は横須賀さんがたくさん作っておられるGPTsを触るのが楽しいですね(笑)、傑作が多いので。自分のホームページに載せているコラムの執筆にも活用していますよ。

大杉:私としてはGPTsの雑談を延々と続けたいところですが(笑)、最後にこれから社労士を目指す方や、同業の先生方へメッセージをお願いできますか?

三重:社労士資格を目指している方へは、「諦めずに努力を続ければ必ず取得できる資格です」とお伝えしたいですね。業務範囲が広いため、頑張れば頑張るほど成果を得られる職業だと思います。同業や他士業の皆さんとは、ぜひ一緒にチームで何かに取り組む機会を増やしていきたいと思っていますので、お声がけいただければ嬉しいです。

大杉:一つの士業だけではなく、連携して対応する複雑な事案が増えていくと思いますので、最後のメッセージにはとても共感いたします。本日はありがとうございました。