トップ
事務所案内
お問合せ
労務コンテンツ一覧
サービス案内
人事労務ニュース
リーフレット
リンク先
お知らせ
作成日:2024/08/06
令和5年度 労働基準監督署の監督指導結果についての考察

違法な時間外労働の現状と評価

厚生労働省が発表した令和5年度の監督指導結果によると、長時間労働が疑われる事業場26,117か所のうち、11,610か所(44.5%)で違法な時間外労働が確認されました。特に、時間外労働が月80時間を超える事業場は5,675か所(21.7%)、月100時間を超える事業場は3,417か所(13.1%)にのぼり、深刻な過重労働の実態が明らかになりました。

違法な時間外労働が多発している背景には、業務量の過多や人手不足、労働環境の不備が指摘されています。特に、物流業界や製造業などの業種においては、繁忙期や業務の増加に伴い、従業員に過度な負担がかかっていることが報告されています。

 長時間労働が疑われる事業場に対する令和5年度の監督指導結果を公表します.pdf 


評価と対策

違法な時間外労働が蔓延している現状は、労働者の健康や安全を脅かす重大な問題です。長時間労働は、過労死やメンタルヘルスの問題を引き起こすリスクが高く、企業にとっても重大な責任問題となります。労働基準監督署の監督指導は、こうした問題を未然に防ぐための重要な役割を果たしています。

 
違法な時間外労働を防止するための具体策

以下に、違法な時間外労働を防止するための対策例を紹介します。

  1. 労働時間の適正管理
    タイムカードやICカード、PC使用記録を用いて、正確な労働時間を把握する。
    自己申告制を導入する場合は過少申告を防ぐための実態調査を定期的に実施する。
    36協定により締結した時間数の適正な把握と管理を行う。
  2. 健康管理の強化
    長時間労働者に対する医師による面接指導を義務化し、健康障害の予防リスクを行う。
    メンタルヘルス対策としてカウンセリングの実施を推進する。
  3. 業務効率化の推進
    業務効率化の業務量を適正に分配し、特定の従業員に過度な負荷がかからないようにする。
    労働時間を短縮するためのITツールやシステムを導入し、業務の効率化を図る。
  4. 労働環境の改善
    職場の環境を改善し、労働者が働きやすい環境を整備する。
    休暇の取得を促進し、労働者のリフレッシュを図る。

 


結論

 

令和5年度の労働基準監督署の監督指導結果は、違法な時間外労働の実態を明らかにするとともに、企業が適正な労働時間管理と健康管理を行う重要性を示しています。企業は、労働者の健康と安全を最優先に考え、違法な労働を防止するための対策を積極的に実施することが求められます。これにより、持続可能な労働環境を築き、労働者の幸福と企業の成長を両立させることが可能となるでしょう。